サイズも形も多様のスピーカがありますが皆さんは何を基準で選びますか?

アイキャッチ画像引用元:Sonus Faber公式ホームページ

大型スピーカーとブックシェルフ型スピーカー、はたまたスリムなトールボーイスピーカー、デザインはもちろん音質も違うはずですよね。スピーカーは、発明されて以来100年以上も基本原理が変わっていませんが、時代とともに人々のライフスタイルや音の方向性は変わるもので、スピーカーのサイズや形の進展も音質を進化させてきました。基本は、エンクロージャーにダクトを設け、より充実した低域が再生できるバスレフ型が主流です。スピーカーが再生できる低域の限界は、エンクロージャーのサイズが大きく影響しますが、同じサイズならばバスレフ型が優位。大型スピーカーの良さは、やはり大型のユニットを内蔵することで安定した低音が出せることですが、なんせ場所を取るし重いですよね。スピーカーも省スペース性が求められる現代、小さなのブックシェルフ型やスリムなトールボーイ型が主力になるのも自然な流れといえます。こうした状況を踏まえつつ、自分の好みなども考慮し納得のスピーカー・システムを見つけていただきたい。今回のブログでは「ブックシェルフ型」と「トールボーイ型」に焦点を当てていきますので、スピーカー選びの基準にお役立ていただけましたら幸いです。

画像引用元:テクニクス公式ホームページ

ブックシェル型のはじまり

小型ブックシェルフ型スピーカーの製品化を最初に手掛けたのは英国グッドマン社です。しかし、それ以前に小型スピーカー設計の論文を発表していたのが石井伸一郎氏でした。石井氏はTecnicsの創始者であり、「8PW1」(通称「げんこつ」)と呼ばれた20cmダブルコーンスピーカーの開発者として知られる阪本楢次(サカモト ナラジ)氏とともに「Tecnics1」を開発した生粋のエンジニアです。

「Tecnics1」は、12cmウーファーの「12PL50」と「5HH17」を組み合わせた2ウェイのブックシェルフ型スピーカー・システム。「Tecnics1」は、製品発表の際にオーディオ評論の先駆け的存在である池田圭氏に注目され、氏のスタジオに設置されることになりました。そこでコンパクトなサイズを凌駕する鳴りっぷりを発揮し、池田氏を含む多くの評論家を魅了して大ヒットに繋がったと言われています。
ちなみに、同時期に大型の「Tecnics2」も開発されており、両製品の製品発表においてどちらをメインに展示するか阪本氏と話し合った結果、大型の「Tecnics2」をメインに据えることに決定しました。しかし、時代の変化に敏感な石井氏の判断により、小型の「Tecnics1」に差し替えられたという裏話が残っています。

 

画像引用元:FRYDERYK DANIELCZYK

トールボーイ型の起源

現在では、幅がスリムなフロア型のことを「トールボーイ型」と呼んでいますが、トールボーイ型はいつから始まったのでしょうか?
トールボーイ型として発売された初期の製品は、1973年に発売された英国CELESTION社「DITTON66」(上写真)などがあります。DITTON66はディットンシリーズの最高級スピーカーシステムです。一方で、同時期に日本で注目を浴びていたのは、1974年発売のヤマハ「1000M」(下写真)など大型のブックシェルフ型でした。当時、ダイヤトーンやパイオニアを先頭に、30~40cm口径のウーファーをもつ大型の3ウェイタイプのスピーカーが多数登場しました。

 

画像引用元:hifi-news

LDの登場

1977年には、CDの開発でも知られるオランダのフィリップス社がレーザーディスク(LD)を開発・発表し、日本でも1980年代後半からVHSビデオにとってかわるデジタル媒体として注目され、ハイクオリティーな音と映像を楽しみたいという風潮が生まれました。

そして1988年、パイオニアはAVシステムでの要望に応えて開発したトールボーイ型スピーカーシステム「S-700T」を誕生させました。同年に、モニタースピーカー技術で培った技術を継承し、バーチカルツイン方式を採用したスピーカーシステム「S-99TWIN」を、翌年の1989年にはプロ用スタジオモニターやEXCLUSIVE S5の開発などで培われた技術を踏襲し、さらにオリジナルの技術や波面コントロール技術を巧みに使用し開発されたスピーカーシステム「S-1000Twin」を発売します。それぞれトールボーイ型の高級スピーカーとして注目されました。

映像機器も盛んに開発していたパイオニアは、同時期にセンターアンプを内蔵した5アンプ構成と、ドルビープロロジックサラウンドを採用したAVコントロールセンターの「VSA900」や、ドルビープロロジックサラウンドでのセンタースピーカーとして開発されたスピーカーシステム「S-XC1」なども発表しています。パイオニアが生み出したこれらの製品は、ホームシアター時代の到来を予期させるものだったといえるでしょう。

DVDの誕生

1966年、DVDが誕生し、家電量販店にはホームシアターシステムが数多く展示されるようになりました。そのフロントスピーカーとして活躍したのがトールボーイ型システムです。代表的な製品に、200kHzまで再生可能なデノンの「SC-T777SA」や、オーディオ再生とAV再生を両立させたオンキョーの「D-602F」、ステレオ再生だけでなくシアターサウンドでも表現力豊かなサウンドを正確に鳴らし切るスピーカーとして開発されたヤマハの「NS-300」などがあります。

徐々にトールボーイ型スピーカーはAV用スピーカーの域にとどまらず、オーディオ雑誌でも高く評価されるようになります。B&Wの「Nautilus 804」は、床の設置面積をN805と同様に抑えつつ、N803のリッチレスとN805のシャープネスを兼備するトールボーイ型スピーカーシステムとして脚光を浴びました。また、ビクターから発売された「SX-L7」も、ビクター独自の技術を投入することでDVDオーディオなどの超高域再生に対応したトールボーイ型スピーカーシステムとして人気を博しました。

 

画像引用元:B&W公式ホームページ

ブックシェルフ型とトールボーイ型の違い

スピーカーを選ぶときの第一ポイントはなんでしょうか?ユニット数の違いもありますが、まずはエンクロージャーのスタイルかと思います。率直にいうと、ブックシェルフ型とトールボーイ型のどちらを選ぶか、それによって価格はもちろん、部屋での設置方法やサウンドまで変わってきます。歴史的には本格的なスピーカー=大型のもの、という認識がありましたが、最近のトレンドではこの二つのタイプに集約されています。

ブックシェルフ型は、厳密な決まりはありませんがコンパクトなサイズのスピーカーを指します。もともと本棚などに置いて鳴らすことを想定したデザインなのでこう呼ばれますが、比較的狭小な住宅が多い日本で主流となり、製品のバリエーションも多く選びやすいタイプです。

形としては脚部がなく、6つの平面で構成されているのが一般的です。サイズは、手のひらサイズの超ミニタイプから中型ブックシェルフと呼ばれるものまでさまざまです。いずれにしても、スタンド類が必要となり、別売りのスタンドを購入して併用することが多いですね。音の特徴は、コンパクトであるがゆえに音の集中度が非常に鋭いことですが、大きなエンクロージャーを持たないため低域の伸びや量感においては引けをとります。

一方、トールボーイ型は、ほっそりと背が高く、ほとんどの製品に脚部が付属しているためスタンドは不要です。そのままフロアに自立させて設置することができます。エンクロージャーの容積も十分にあるため、低域の伸びやスケールの大きさ、空間に広がる力感あふれたサウンドなどが特徴です。床の設置面積はブックシェルフ型とほぼ変わらないにも関わらず、音質的に優れた点が多いトールボーイ型は人気が高く、多くのメーカーで上位モデルに位置付けられているのもうなずけますね。

 

画像引用元:Sonus Faber 公式ホームページ

なぜウーファーが2本なのか

トールボーイ型スピーカーでは、ウーファーを2本搭載することが多いですが、なぜ同じウーファーを2本搭載するのでしょうか?
結論から申し上げると、一本あたりのウーファーの負荷を低減することが出来るからです。低音は振幅が大きいためユニットの歪が生じます。小口径のウーファーが一本では大音量で歪んでしまうので、それを抑制するために2本のウーファーが搭載されています。スピーカーが出せる最大音量はユニット口径の大きさによるのも事実ですが、ウーファーを2本搭載して一本の負荷を軽減することで、より低音を重視したウーファーを搭載することも可能です。
つまり、ウーファーを2本にすることで歪を抑制し、大音量でも優れた低音再生能力を発揮できるのですね。

 

画像引用元:B&W公式ホームページ

エンクロージャーの容量

トールボーイ型は「低音の幅が広がる」、「重低音がしっかり響く」と感じている方が多いかと思います。低音再生能力はウーファーを2本搭載することで向上すると言いましたが、エンクロージャーの容量も大きく関係しています。トールボーイ型のエンクロージャーは、ブックシェルフ型と比較して約3倍ほど大きな箱容量を持っているといえます。例えば設置面積が同じで、高さ40cmのブックシェルフ型と高さ120cmのトールボーイ型では単純計算で約3倍です。

スピーカーの箱はただユニットを収納しているだけでなく、音を鳴らす上で非常に重要な役割をしています。というのも、低音を積極的に増幅するためには箱の容量が必要不可欠となるからです。ここで登場するのが「バスレフ型」と言われる形式です。バスレフ型(bass reflex:バス・レフレックス)とは、スピーカーシステムのエンクロージャーの一形式であり、エンクロージャーの前面や後面にバスレフポートと呼ばれる穴をあけ、そこに筒をつけることで音の低音域部分を増幅する方式です。
近年のスピーカーのほとんどがこのバスレフ型を採用しており、原理としては少し小難しい話になりますが、ヘルムホルツ共鳴という現象で、空ビンの口元に息を吹きかけると「ボー」という音が響くのと同じ原理です。このバスレフ方式では、箱の容量が低音の増幅量を決める鍵となります。箱の容量が大きいほど、より大きな共振が得られ、重低音を効果的に増幅することが出来るのです。つまり、トールボーイ型は箱の容量をたっぷりと取って設計できるため、特に重低音領域が優れて豊かな低音再生が可能となります。

 

 

画像引用元:Sonus Faber 公式ホームページ

トールボーイ型とブックシェルフ型、どちらを選ぶ?

力強い重低音が欲しいという方は低音再生能力に優れたトールボーイ型がおすすめです。しかし、設置スペースや試聴距離を考えるとブックシェルフ型が適切な場合もありますよね。そんなときは、ブックシェルフ型スピーカーにサブウーファーを追加してご使用されるのも一案です。サイズが小さく比較的リーズナブルに製造できるブックシェルフ型でしたら、同じ予算でもランクの高いスピーカーを選ぶことが出来るかもしれません。

一般的な選び方の基準としましては、8畳以上の広い空間で使用される場合や比較的大音量で音楽を楽しみたい方、また高品質な低音を重視したいという方はトールボーイ型がおすすめです。一方、8畳未満の部屋に設置し2m以内の距離で聴く方、小音量で高品位なサウンドを楽しみたいという方にはブックシェルフ型の選択が好ましいでしょう。ご自宅の設置スペースや、お住いの雰囲気、試聴距離によって適切なサイズを選べるとよいですね。

 

画像引用元:Sonus Faber 公式ホームページ

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