日本製や海外製のオーディオメーカーがあるが国ごとに個性はあるのか?

「日本製のオーディオ機器と海外製のオーディオ機器の音に違いはあるの?」
「どうして海外製のオーディオ機器の方が個性があるといわれているの?」

この記事に訪れた読者のみなさんはきっと、このような疑問を抱えている方が多いかと思います。
そこで、この記事では日本製オーディオ機器と海外製オーディオ機器の違いや、音作りがなぜ・どのように異なるのかを詳しく解説していきます。

【結論】国ごとに音の個性はある

まず結論からお伝えすると、オーディオは国ごとに様々な個性があります。
そのため、日本製のオーディオ機器と海外製のオーディオ機器では、もちろん音作りに違いがあります。
音作りに違いはありますが、その違いは一つ一つのオーディオの個性ですので、人によって好みがわかれるかと思います。
そこで、この記事では国ごと代表的なオーディオメーカーを例に、音の特徴をご紹介してまいります。

音作りは風土・環境が反映される

一説にはオーディオ機器の音作りは、その土地の風土や環境で違いが出るのではないかといわれています。
オーディオ機器には制作した人間の感性が反映され、その感性は作り手の生まれ育った環境で全く異なります。
作り手の感性の他にも、湿気の多い地域で生まれたスピーカーなのか、それとも乾燥した地域で生産されたスピーカーなのかといった環境要因でも音作りが変わってくるようです。
例えば、オーディオを語る上では欠かせないアメリカンサウンドには、西海岸サウンドと東海岸サウンドの2つが存在するのはこのような理由があるからなのです。

国別、音の特徴

前章で国や地域・土地環境によって音作りに違いが生まれることがおわかりいただけたでしょうか。
この章では、さらに掘り下げて各国のサウンドについてと、代表的なオーディオメーカを例に挙げ、音の特徴についてご紹介したいと思います。
国ごとに好まれている音があるので、ぜひオーディオ選びの参考にしてみてください。

日本

日本の音は世界的には非個性的なサウンドと言われています。
バランス重視の音作りは迫力がなく、オーディオマニアの人の中には退屈と感じる方もいるようです。
バランス重視の音作りというのは音楽を楽しむことにはあまり向いていませんが、レコーディングスタジオなどでモニタリング機材として重宝されることが多いのです。

日本製のオーディオ機器は日本のお国柄もあるのか、「工業製品」としてはかなり高い評価を受けています。
「工業製品」としては、海外製品を圧倒すると品質と言われています。
その完璧な音作りを追及することが、人によっては個性を感じないオーディオ機器と評価されてしまうこともあるのです。

アメリカ

アメリカンサウンドには前述の通り、「西海岸サウンド」と「東海岸サウンド」の2種類があります。
国内に2種類のサウンドが存在するのは、広い国土の中で湿気の多い地域と乾燥した地域と環境が異なることがで音作りに影響を与えているからと言われています。
音は空気を振動させることで聴こえるものなので、当然といえば当然かもしれませんね。
では、以下で順にご紹介します。

西海岸サウンド

西海岸サウンドは中音域を軸に、軽快でメリハリのある音作りが特徴です。

東海岸サウンド

東海岸サウンドの特徴は中低音域を軸に、重厚で深みのある音作りです。
ジャズを聴くのに適したサウンドと言われています。

どちらも日本と比べると個性的と言えるサウンドではないでしょうか。

ヨーロッパ

ヨーロッパサウンドもアメリカンサウンドと同じように、地域によって音作りが異なります。
この記事では、様々なヨーロッパサウンドの中から代表的な「イギリスサウンド」と「ドイツサウンド」をご紹介します。

イギリスサウンド

ヨーロッパサウンドでは、アメリカサウンドと違い中高音域が好まれます。
イギリスサウンドも同様に中高音域を軸にした音作りですが、低音も少し厚みを感じるウェットなサウンドとなっています。

ドイツサウンド

ドイツでは伸びのある高音が好まれ、スピーカーも透明感のある上品な高音域を鳴らします。
ドイツサウンドはドイツで盛んなクラシック音楽を聴くのに最適なオーディオだと言われています。
まさに地域性の現れたサウンドではないでしょうか。

国別オーディオメーカーの評価

ここまで、国ごとの音の違いについて紹介してきました。
この章からは、各国で代表されるオーディオメーカーの評価を国別で紹介していきたいと思います。

日本

日本のハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・Accuphase(アキュフェーズ)
・Luxman(ラックスマン)

Accuphase(アキュフェーズ)

Accuphaseはトリオ(現JVCケンウッド)の創業者である春日二郎氏らによって設立されました。
「贅沢と感じるほどのグレード」を目標にオーディオ機器の開発を続けている日本を代表するオーディオメーカーです。
主な製品ラインナップはパワーアンプ・プリアンプ・プリメインアンプです。

Accuphase製アンプの評価は高く、
・「音の静けさ」の表現力
・音量による音質変化が少ない
・重低音に広がりを感じる
などとオーディオマニアから評価されています。

Luxman(ラックスマン)

Luxmanは1925年に大阪市の心斎橋で創業された日本のオーディオ機器メーカーです。
主な製品ラインナップはプリメインアンプ、コントロールアンプ、パワーアンプなどとなっています。

Luxmanにはアルパインとの合同ブランド「ALPINE/LUXMAN」が開発した真空管とトランジスタを使った真空管・MOSFETハイブリッドプリメインアンプ「Bridシリーズ」というオーディオマニアの中でも有名なシーリーズがあります。
そのBridシリーズのLV-105とLV-107は1985年度に通産省グッドデザイン商品選定制度で金賞を受賞した名品です。

アメリカ

次にアメリカのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・JBL(ジェイ ビー エル)
・McIntosh(マッキントッシュ)

JBL(ジェイ ビー エル)

JBLは1946年にジェームス・B・ランシングが設立した世界的に有名な大手スピーカーメーカーです。
オフィスやお店のスピーカーなどで、誰もが一度は見たことがあるメーカーではないでしょうか。
主な製品ラインナップはホームスピーカー、ヘッドホン、イヤホンなど。
JBL製スピーカーは初動特性と音場表現能力が高く評価され、プロのレコーディングスタジオや、迫力の音響が欠かせない映画館などで使用されています。

McIntosh(マッキントッシュ)

McIntoshは1949年にフランク・H・マッキントッシュによって設立されたハイエンドオーディオメーカーです。
JBLと共にアメリカの大手メーカーとしてオーディオ界を牽引しています。
主な製品ラインナップはアンプ、スピーカー、カーオーディオなどです。
大出力で安定した駆動を見せるアンプが、そのスタイリッシュなデザインと共に世界中のオーディオファンから信頼を得ています。

イギリス

イギリスのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・TANNOY(タンノイ)
・Bowers & Wilkins(バウワース アンド ウィルキンス)

TANNOY(タンノイ)

TANNOYは1926年にガイ・ルパート・ファウンテンが設立したスピーカーメーカーです。
低音を出す役割のあるウーファーの中心部に高音を出すツイーターを搭載した同軸スピーカーが有名です。
オーディオメーカーとしての歴史が長く、TANNOYのヴィンテージオーディオは、世界中に未だに多くのファンが存在します。

Bowers & Wilkins(バウワース アンド ウィルキンス)

Bowers & Wilkinsは1966年にイギリス企業B&W Group Ltdによって設立されたハイエンドスピーカーメーカーです。
主な製品ラインナップは見た目に特徴のあるスピーカーとカーオーディオです。

1980年ごろからレコーディングスタジオなどのプロの現場で使用されるようになり、ビートルズやクリフ・リチャードなどがレコーディングを行ったスタジオとして有名なアビーロード・スタジオでは今でもBowers & Wilkins製のスピーカーが使用されています。

ドイツ

ドイツのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・Burmester(ブルメスター)
・OCTAVE(オクターブ)

Burmester(ブルメスター)

Burmesterは1978年にプロのロックバンドのギタリスト・作曲家として活躍していた音楽家のディーター・ブルメスターが設立したハイエンドオーディオメーカーです。
主な製品ラインナップはパワーアンプ、プリアンプ、CDプレーヤーなど。

技術だけでなく製品の外観デザインも高く評価されたBurmesterは、メルセデス・ベンツやポルシェの純正カーオーディオ・スピーカーシステムにも採用されています。

OCTAVE(オクターブ)

1968年にOCTAVEの経営者アンドレアス・ホフマンの父が、OCTAVE Audioの前身であるHofmann Transformaersを設立しました。
その後、1980年にOCTAVE社として最初の真空管アンプを発表しています。
OCTAVE製アンプの特徴はトランジスター技術と真空管技術を融合した独自の構造。
1994年にMRE120を発表し、数多くの賞を受賞しています。(Stereoplay Highlightなど)

スイス

スイスのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・Soulution(ソウリューション)
・darTZeel(ダールジール)

Soulution(ソウリューション)

1956年に設立された電気工学部品、電気モーター製造会社のシュペモット社。
そのシュペモット社が2000年にハイエンドオーディオブランドSoulutionを設立しました。
主な製品ラインナップはパワーアンプ、プリアンプ、ラインアンプなど。
音の鮮度に重きを置いた独自回路、ミニマルで美しい外観デザインが評価され、2006年にドイツのレッドドット・デザイン賞を受賞しました。

darTZeel(ダールジール)

darTZeelは2000年にスイスで誕生したハイエンドオーディオメーカーです。
オーナーのエーベ・デレートラがデザイナーを担当し、1984年から始まったNHB-108 model oneの開発には16年もの歳月を費やしました。
主な製品ラインナップはパワーアンプ、プリアンプです。
darTZeelの妥協を許さない製品作りは、世界中のオーディオメーカーから高い信頼と評価を得ています。

フランス

フランスのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・FOCAL(フォーカル)

FOCAL(フォーカル)

FOCALはジャック・マユールにより、1979年に設立されたフランスを代表するオーディオ機器メーカーです。
主な製品ラインナップはスピーカー、ヘッドホン、カーオーディオスピーカー。
開発・工場のすべてをフランス国内にある施設で一貫して行っている、数少ない国内生産のオーディオメーカーです。
世界最高峰といわれるFOCAL製スピーカーは、世界中のオーディオファンから愛されています。

デンマーク

デンマークのハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・DALI(ダリ)
・BANG & OLUFSEN(バング&オルフセン)

DALI(ダリ)

DALIは1983年にピーター・リンドルフが設立したハイエンドスピーカーメーカーです。
自社生産のドライバーとパーツのクオリティを最大限に引き出すオリジナルの技術と、デンマークデザインの高級感と重厚感のある外観は世界中から高い評価を得ています。

BANG & OLUFSEN(バング&オルフセン)

BANG & OLUFSENは1925年にピーター・バングとスヴェン・オルフセンが共同で設立しました。
BANG & OLUFSENの製品は世界100ヵ国を超える国々で販売されており、世界中で愛されているハイエンドオーディオ機器メーカーです。
日本では14の専門店で販売されています。

中国

中国のハイエンドオーディオメーカーをご紹介します。
・DUSSUN(ダッサン)
・i Basso Audio(アイバッソ オーディオ)

DUSSUN(ダッサン)

中国・上海に拠点があるDUSSUN。代表はエンジニアでもあるツー・ヤンヤンです。
主な製品ラインナップはパワーアンプ、プリアンプなど。
ハイエンドオーディオの中では価格は比較的安価ですが、製造技術は確かなもので、コストパフォーマンスが高い製品が多いのが最大の特徴です。
オーディオ銘機賞2011、オーディオ銘機賞2012、オーディオ銘機賞2014、アクセサリー銘機賞2012を受賞しています。

まとめ

この記事では、日本と海外の音作りがどのように違うのかと、国ごとのオーディオメーカーの特徴や評価を紹介してきました。
オーディオにも地域や環境によって様々な個性があることをおわかりいただけたでしょうか。
ハイエンドオーディオ機器をお買い求めの際は、ぜひ店頭でこの違いを感じながら、オーディオのご試聴をしていただれば幸いです。

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