JBL 高級ドライバーユニット「375」の変遷。意外と知らない!?変更点のご紹介です
今回のテーマはJBL社の高級ドライバーユニット「375」(後期は「376」)です。JBLの中でも特別な名機と言われる375は、JBLを代表するスピーカー「PARAGON」(パラゴン)や「HARTSFIELD」(ハーツフィールド)、「OLYMPUS S8」(オリンパス)にも使用されている存在感抜群のドライバーユニットです。この375ですが、約25年の長い販売期間のなかでいくつか変更点があったのをご存知でしょうか。今回のブログでは、JBL「375」の変遷を分かりやすくご紹介させてただきたいと思います。
目次
ドライバーユニット「375」の仕様
磁束密度20,500gauss・10.8kgの重量級磁気回路には、10.2cm径大型ダイアフラム、リボン線ボイスコイル、アルニコVマグネットが採用されており、非常に優れたパフォーマンスを発揮しています。
音域は中音域で、500Hzから10kHzの再生が可能。
スロート径5cmのHL88、HL89、HL90、HL93と合わせて使用することが出来ます。
重量感は片手では脱着出来ない程の重さです。
最初期モデル「375」(バブルバック)
初期モデル「375」は1954年に発売されてから1980年に後継モデル「376」が発売されるまでの約25年間販売されていました。
まず、最初期の「375」は「バブルバック」とも呼ばれる非常に人気の高いモデルで、稀少価値が高く市場では高額な値段で取引されています。この最初期「375」は、JBL社がWESTREX(ウェストレックス)やAMPEX(アンペックス)のトーキーシステム用に開発、製造したものです。外観はグレーの塗装が施され、後面の中央が盛り上がった形をしているのが特徴です。(上写真)
初期モデル「375」(フラットバック)
1956年に後面のふくらみが取れて、従来よく見られる平らな形状へと仕様変更されました。それが「フラットバック」と呼ばれるモデルです。1957年に発売されたパラゴンにもこのフラットバックが搭載されています。
1956年以降はこのフラットバック仕様が続くのですが、外観と内部において少し変更点がありました。分かりやすい変更点は、シリアルナンバーとターミナルです。
まずシリアルナンバーですが、初期のフラットバックは最初期のバブルバック後期と同じなのですが、1964年頃からシリアルナンバーの表記デザインがリニューアルされています。
次にターミナルも、初期のフラットバックは「ファットターミナル」ですが、同時期から細形の定番ターミナルに変更されました。
その他の細かい変更としては、ネジや吸音材、リード線の端子の違いがあります。
まず、四隅にあるJBLの刻印入り赤蝋の下のネジが、フラットバックの初期モデルから次のモデル頃まではマイナスネジだったのがプラスネジに変更されました。
次に1964年頃までオレンジ色だった吸音材がブラックに変更されました。
そして、ターミナルと結合しているリード線の端子が初期では細いクワガタ端子でしたが、以降は太めのクワガタ端子に変わっています。
フラットバック後期モデル
後期になるとプレート部分が四角から丸に変更されました。(上写真)しかしこのプレートがついた「375」モデルは製造期間が約一年という短さだった為、目にする機会が滅多にありません。そしてこの丸プレートのまま後継モデル「376」へ移行します。
プレート表記においては「375」の文字が「376」に変更したのみで、その他の変更点といえばユニット内部の振動板の違いが大きな変更でしょう。
後継モデル「376」
1980年に「375」の後継モデル「376」が発売されました。前述したように「376」になると振動板が変更されます。「375」ではエッジ部分がロールエッジだったのですが、「376」になるとダイヤモンドカットとなり、音質は好みによるかと思いますが、マニアの方々には「375」の純正の振動板が好まれる傾向があります。
また、「375」の初期の振動板は外観にゴールドの塗装が施されており、その影響が音質にも多少なりの変化を加えていると言われています。そういった点もマニアの方々に好まれるポイントなのでしょうね。
いかがだったでしょうか。JBLの名機「375」は同じモデルナンバーであっても、長い年月発売されていることもあり、奥が深い魅力機ですね。
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