セパレートアンプとプリメインアンプの実力差を徹底比較してみた!

オーディオアンプを購入する際、知っておきたい違いのひとつに「セパレートアンプ」と「プリメインアンプ」の性質差があります。

プリメインアンプはいわゆる一体型アンプのことで、手軽で比較的安価なため、オーディオ初心者向けのアイテムです。

いっぽうセパレートアンプは、音質検知や信号増幅など、機能ごとにアンプの部分を分離(セパレート)したアンプで、高機能なぶん高音質なクオリティのアンプ構成を組むことができますが、高価になり、設置スペースも場所を取ります。

オーディオの音質を決める要素は、スピーカー5:アンプ3:プレーヤー1:ケーブル1、と言われますが、スピーカーの最大限のポテンシャルを引き出すためにはアンプの力が不可欠です。
今回はプリメインアンプとセパレートアンプの違いを基礎から解説します。

プリメインアンプとセパレートアンプの違いとは?

そもそもアンプとは、英語の「amplifier アンプリファイア」の略で、電気信号の増幅器のことを言います。プレーヤーが感知する電気信号はとても小さいので、人の耳に聞こえるよう、その電気信号を増幅する必要があります。アンプはプレーヤーの電気信号を増幅し、快適な音量でスピーカーから聞けるように調整するための機器です。

プリメインアンプ=一体型


アンプの機能には、プレーヤーがピックアップした電気信号を感知して、高音・中音・低音か、あるいは左右どちらの音かなど、音質を分類する機能を持つ「プリアンプ部分」と、分類された音を増幅させる「パワーアンプ部分」に大別されます。プリメインアンプとは、この2つの機能が1つの機器として一体化しているアンプのことを指します。
価格は1万円台の入門者向けから、10万円前後の中級、20万円以上の高級品まであります。

セパレートアンプ=機能ごとに分割されたアンプ


いっぽうセパレートアンプとは、上記のプリアンプとパワーアンプが別々に分かれているアンプです。機能ごとに異なる機器を多数そろえることになるので、プリメインアンプに比べて高価になりますが、音質を追求したいオーディオマニアの多くが最終的にこのセパレートアンプに到達します。
価格はプリアンプとパワーアンプそれぞれ10万円台から。上は300万円のパワーアンプも販売されており、上を見ると切りのない世界ですね。

メリットとデメリットの比較

プリメインアンプのメリット・デメリット

プリメインアンプ セパレートアンプ
メリット ・一体型のためお手軽

・安価

・省スペース

・音質に妥協なき追求ができる

・他社同士の組み合わせも可能

・グレードアップが容易

デメリット ・プリ部とパワー部が同一パッケージ内にあり、電気信号が干渉しやすくノイズが発生する

・音質は中~低グレード

・高価

・設置スペースが必要

・ケーブル類が多くなり配線に手間がかかる

価格 安価 高価
音質 中~低グレード 高音質

メリット

プリメインアンプのメリットは、一体型なのでとにかくお手軽な点です。
セパレートアンプに比べて安価で、数万円から10万円台の商品が多く、購入しやすい点も魅力のひとつです。

さらにアンプ部分が1つにまとまっているため、プレイヤーとスピーカーの間につなぐだけで音楽が楽しめます。
居住空間に限度のある人でも省スペースでオーディオが構成できます。

デメリット

プリメインアンプの場合、プリ部とパワー部が接近して設計されているので、どうしても電気信号が干渉しやすく、ノイズの飛び込み等が発生することがあります。
また、一体型なので、より音質を向上させるためのグレードアップ等の楽しみがない点も大きなデメリットです。
音質にこだわればこだわるほど、プリメインアンプは選択肢から外れていきます。
そして音質は、どちらかというと中~低グレードと言わざるを得ません。スタジオやライブなど、CDやLPに録音された生の状態に限りなく近い音を再現することは、プリメインアンプでは厳しいです。

セパレートアンプのメリット・デメリット

メリット

セパレートアンプの場合、プリ部とパワー部で異なる機能を分けているので、高音質を追求できる点が最大のメリットです。プリ部で行われる音の電気信号を振り分ける機能と、パワー部で行われる音の電気信号を増幅させる(音を大きくする)機能はまったく別の回路のはたらきによるもので、セパレートすることで相互のノイズ干渉を極力減らすことができます。

また、プリ部とパワー部が分かれているため、後々のグレードアップができる点も大きなメリットのひとつです。コツコツ貯金してプリ部を高級品に買い替えたり、パワー部をLとRのチャンネルごとにモノラルアンプへさらにセパレートしたり、楽しみ方が広がります。
他社のアンプ同士の組み合わせも可能になる、という点も大きなメリットと言えるでしょう。

私の友人に筋金入りのラックスマン・マニアがいるのですが、彼はデッドストック品のナカミチのカセットプレーヤーを格安で手に入れたのをきっかけに、ナカミチのセパレートアンプを集めるようになりました。
プレーヤーはアキュフェーズ、プリアンプはマッキントッシュ、パワーアンプはマランツ、スピーカーはJBLのフロア型、など、異なるメーカーを掛け合わせてオーディオシステムを組むマニアも少なからず存在します。
なにはともあれ、自由な組み合わせが楽しめるのがセパレートアンプの大きな魅力です。

デメリット

高音質がのぞめるセパレートアンプですが、最大のデメリットは、部分ごとに機器をそろえる必要があるので、どうしても高価になりがち、という点です。特に音質を追求すると青天井になり、お財布との相談は避けられません。安価なものでも十分楽しめますが、良質な音と比べるといつのまにか少しの違いが大きな違いになりますね。

また、設置する機器の数が増えるので、十分なスペースが必要になります。高品質な音を再現する高級アンプは、中の部品に大きなものを使う必要が生じます。個々の部品の干渉を隔絶するためにも機器内部に十分な余白が必要になり、良い音質のアンプはどうしても大型化してしまいます。、
そして機器同士をつなぐ配線が増えるので手間がかかる点もデメリットのひとつです。結線が多くなるため、ケーブルメンテナンスや、ケーブルノイズへの対策が必要になるケースも増えてきます。

セパレートアンプとプリメインアンプについてよく寄せられる質問

Q.2つを組み合わせることはできるのか?

初心者向けと勧められてプリメインアンプを購入したのち、徐々に音質に飽き足らなくなり、セパレートアンプへの切り替えをするユーザーが多いと言われています。
ですが、ほとんどのプリメインアンプは一体型なので、徐々にセパレートアンプを継ぎ足してグレードアップしていく・・・といった楽しみ方ができないタイプの製品が大半です。
現在は、プリメインアンプでありながら、プリ部だけをOFFにしたり、パワー部だけをOFFにできる「セパレートタイプのプリメインアンプ」も発売されています。セパレート機能を持つプリメインアンプは、プリメインアンプの中ではかなり高価な部類に入りますが、のちのちのグレードアップを考えるなら、これらのタイプがおすすめです。
代表的なセパレートタイプのプリメインアンプは、ラックスマンのL-509uやデノンのPMA-SX1 LIMITEDなどがあります。ですが、どちらも70万円ほどの価格なので、最初からセパレートアンプを買ったほうがいいかもしれません。

Q.プリメインとセパレートの派生形アンプはどんなものがある?

セパレートアンプはプリ部とパワー部を分けたアンプですが、パワーアンプにはさらに、音をLとRのチャンネルに振り分けて、モノラル別にパワーアンプを設置するタイプ「パワーモノアンプ」があります。
プリ部も高音から中低音を別々に抽出するモノタイプのプリアンプも存在しますが、音量の設定などが煩雑になり、ほとんどミキサー卓をいじるような忙しい音楽鑑賞になるので、おすすめできません。

プリメインアンプにWifiやBluetoothの機能を加えたのが「ネットワークアンプ」です。スマホやタブレット端末との接続が簡単で、近年は急速に広まりつつあります。しかしWifiもBluetoothも電波ゆえにノイズを生じさせやすく、オーディオ上級者にはあまり評判がよくありません。

そして、現在主流の半導体を使った「トランジスタアンプ」とは別に、真空管を使った「アナログアンプ」も根強い人気があります。音の柔らかさやアナログらしい温かみのあるサウンドが特徴的で、アナログレコードマニアのユーザーには真空管アンプに憧れる人も多く、メーカーから新製品も次々と発売されています。

ちなみに、ブルーレイやテレビ等のAV機器を使用する場合は、「AVアンプ」が最も適しています。あくまでプリメインアンプやセパレートアンプは、LRの2チャンネルオーディオ鑑賞専用のアンプです。5.1chドルビーサラウンドなど複雑な音響効果を売りにするAV機器と接続する場合、スピーカーは共有できることがありますが、映像とのシンクロ性や効果音・臨場感といった音響システムを構成するには、専用のAVアンプを使用することをおすすめします。

セパレートアンプとプリメインアンプ、結局どっちがいい?

十分な予算がない場合や、設置スペースが限られている場合、プリメインアンプがいいでしょう。
ただ、安価なセパレートアンプより、高価なプリメインアンプのほうが音質のいいことがあるので、設置スペースに頭を傷めるオーディユーザーには、プリメインアンプも選択肢のひとつでしょう。

いっぽう、飽くなき音質の追求をしたいユーザーには、迷うことなくセパレートアンプをおすすめします。
金額は青天井で、いくらでも上を見ることができる深い沼ですが、いい音を知ってしまった経験値は、安易な妥協を許さなくなってしまいます。

しかし、プリメインアンプで巷間に言われる干渉ノイズの発生や、セパレートタイプ独特の音質の良さが分かるには、様々な音質を聞き比べた豊富な経験値が必要です。「高いものはいい」という思い込みではなく、自分の耳に心地いいオーディオ選びをすることが最も大切です。

できれば、店舗で試聴を繰り返したり、カタログスペックなどを見比べて、求める機能や音質をなるべく具体的にイメージして製品を選ぶのがいいでしょう。

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