伊藤喜多男氏のアンプを買取致しましたのでご紹介いたします。

2022.05.30

アンプ

ベテランの真空管アンプ愛好家の間で、いまでも「アンプの神様」として知られている伊藤喜多男氏のアンプを関係者様より買取させて頂きました。有名なCRESCENT RA1501と共に、【無線と実験】で紹介されたSIEMENS Ed使用　PP 8900パワーアンプ、この他今回はご紹介は出来ませんがSIEMENSオイロフォン、EMT930等一式でお引取り致しました。
伊藤喜多男氏といえば著書に【音響道中膝栗毛】などがあり伊藤流アンプ製作術の原点がわかる本書は多くの真空管アンプファンを啓発しています。また、1981年から1983年にかけてステレオサウンド社のオーディオ誌「SOUND BOY」に連載された「伊藤流アンプ指南」は、真空管アンプ愛好家の間ではバイブルとなっています。今回は、「伊藤喜多男」という人物に着目し、買取させていただいた伊藤喜多男氏のアンプをご紹介させていただきたいと思います。

1 伊藤喜多男氏のご紹介
2 音響道中膝栗毛
3 CRESCENT
- 3.1 CRESCENT RA1501-A
- 3.2 SIEMENS Ed PP UTC 8900
4 伊藤喜多男氏の作品を高価買取いたします！

画像引用元：PHILE WEB

伊藤喜多男氏のご紹介

伊藤喜多男氏は1912年、東京の上野に生まれました。幼いころから電子工作に興味を持ち、青年時代からオーディオアンプ製作を探求してきました。オーディオ以外にも食、機械、美術などさまざまな分野において関心を持つことに熱意を持って追究する人物としても知られ、機知に富みユーモアのある伊藤氏が語るオーディオ論は、オーディオ愛好家を強く惹きつける魅力的なものであります。

映画館の全盛期だった昭和28年(1953年)、当時42歳だった伊藤喜多男氏はウェスタン・エレクトリック東洋支社に入社し、47歳まで同社の劇場用アンプのメンテナンスをしてきました。伊藤氏はこの劇場音響装置のメンテナンスの仕事を通して、これまで趣味としていた自作アンプの甘さを知り、業務用アンプの本質を会得して職人技のアンプ作りの名人となります。そこで得た経験はその後製作するオーディオアンプにおいての大きな基盤となったと言われています。

音響道中膝栗毛

長年オーディオを趣味としている方、特に真空管アンプを自作するオーディオマニアの方でしたら、伊藤喜多男氏の著書「音響道中膝栗毛」をご存知かと思います。

著書は、フェランティ、アマートラン、マーション、ウェスタン・エレクトリック、シーメンスなど真空管創世紀より現在まで、管球アンプと真向かう60年を記した伊藤流アンプ製作術の原点が記される真空管アンプファンの必読書であります。伊藤喜多男氏が製作した管球アンプの50、801A、6V6、F2a、E84L、EL34、Ed、WE300Bなど10点が付録してあり、その回路図やそれぞれについての説明も掲載されています。

CRESCENT

CRESCENT（KAMIGEN.INC CRESCENT）は、伊藤喜多男氏によって作られた真空管アンプ商標です。使用パーツは真空管ではWestern Electric(ウェスタン・エレクトリック)やSIEMENS(シーメンス)、トランスはtriad(トライアッド)、TAMURA(タムラ)、Lux(ラックス)など、仕様によって異なります。

中でも代表的な製品が「プリアンプRA1501-A」です。シーメンスのEurodyn(オイロダイン)という劇場用スピーカーシステム向けに設計・製作されましたとされています。「RA1501-A」は、芸術品と言われるほどの外観と巧みな配線を兼ね備えたプリアンプです。

基本的に伊藤氏が手掛ける製品は製作台数が非常に少ない為、リスニングする機会すら貴重でほとんどのモデルが市場に出てきていませんが、真空管アンプ愛好家にとってクレッセントは不動の人気を誇る憧れの一級品です。