映画館などで使用されるスピーカーで多いメーカーは?JBL、ALTEC、Western Electric?

映画館画像:JBL公式サイト

皆さま、映画館で使用されているスピーカーはどこのなんだろう?と疑問を持たれたことはないですか?
昔ながらで有名なところですとWestern Electricが真っ先に出てくるのではないでしょうか?
また「Voice of the Theatre」の名のとおり有名なALTECシリーズ。

私たちオーディオランドは映画館の機材の取り扱いも多く、現在までに数十の映画館の機材の買取をさせていただきました。開業や入れ替え時期によりますが、Western Electricのシステムはほとんど見たことがなく、やはり多いのはJBLやALTEC、EV(Electro voice)製の物が多くALTECでいうとA5やA7、何度かA4を拝見しました。

JBLは2360Aの大型ホーンを使用したシリーズが多く、EVに関しても同様にHP9040にDH1Aドライバーを使用したXEQ504など606シリーズが多いですね。
その他珍しいところでいうと、SONYやPioneerのExclusiveシステム。これは今となっては貴重なユニットをふんだんに使用していますので非常に贅沢なシステムといえますよね。ヨーロッパのKCSなどもありました。

今回はその中からもやはり現在のシネマスピーカーの主要メーカーともいえるJBLのシネマスピーカーについてご紹介させていただきます。

ALTEC、A7とA5の違いなどに注目した記事は「こちら」から。

映画館の分解!スクリーンの裏側はどうなっている?

音響機器にご興味がある方なら、映画館のスピーカーについて考えたことがあるのではないでしょうか?しかし普段よく訪れるTOHOシネマズ、CINEPLEX、MOVIX、cinema sunshine、イオンシネマなどの映画館では、スピーカーの配置や性能については確認しにくいものですよね。壁に設置された小型スピーカーはあるかもしれませんが、映画館で使用される大型スピーカーはほとんどがスクリーンの後ろに配置されています。

ここではオーディオランドが映画館より機材の買取をご依頼いただいた際の、シアター分解の様子をご紹介いたします!

映画館スクリーンの裏側はどうなっているのでしょうか?
これからスクリーンを取り除きます。

映画館裏側の公開!!
このように、スクリーンの裏側には大型スピーカーが設置されています!

映画館写真(下部)は、JBLのスクリーンアレイシステムです。
スクリーンアレイについては詳しく後述します。

映画館 

映画館 映画館

JBL

写真(下部)のドライバーは、今では貴重なSONYの「SUPーT14A」です。

映画館のスピーカーといえば…JBL!

JBL

画像引用 : ヒビノマーケティングDiv.

JBLは、米国カリフォルニア州ノースリッジに拠点を置く音響機器メーカーです。映画館の音響においてJBLの存在は欠かせず、JBLは映画館産業と共に歴史を歩んできたと言っても過言ではありません。

JBLは世界的に映画館でのシェアが70%以上あり、1983年にルーカスフィルム社が提唱したTHXシステムに最初に認定されました。さらに、国際的なモニュメントや建築物、例えばウィーンやシドニーのオペラハウス、オスカーのコダックシアター、ニューヨークのヤンキー・スタジアム、シアトルのセーフコフィールドなど、特殊な機能を必要とする場所でもJBLが採用されています。

ここでは、トーキー映画誕生から、現代の最新デジタルシアターに至るまで、常にシネマスピーカーとして最先端を歩んできた、JBLのシネマスピーカーを見ていきましょう。

Screen Array Systems

ScreenArray(スクリーンアレイ)は、映画館や映画製作スタジオ向けに開発されたスクリーンスピーカーで、最良の音響を追求して設計されました。低域から高域まで全ての周波数帯域において、豊かなダイナミックレンジと低歪率の優れた音質をシアター全体に響かせます。

優れた指向性

全ての客席へ均一な音質を届けるために、独自のオプティマイズド・アパーチャー・ウェーブガイド(Optimized Aperture Waveguide)を搭載し、優れた指向性制御を実現しています。広範囲の周波数帯域にわたって一貫した指向性と、スピーカーからの距離による減衰を補正しやすいビームパターンを持ち、座席ごとの音圧と音質の変化を最小限に抑制しています。

スクリーンによる音質劣化を防止

スクリーン拡散補正(SSC:Screen Spreading Compensation)技術を導入しています。この技術は、映画スクリーンによる音質の劣化を改善します。有孔スクリーンを通過する際の音の減衰特性が、放射角によって変化することを補正し、特に高音域での視聴位置による音質の変化を軽減します。

均一な音質

水平面から下方に10度傾いた非対称なビームパターンを生成し、より均一な音質を実現するフォーカスド・カバレッジ・テクノロジー(Focused Coverage Technology)が組み込まれています。ただし、3730、4722、4722N、3722、3722Nを除きます。

映画監督が求める音質を忠実に再現

オプティマイズド・アパチャー・ウェーブガイドにより、帯域間が滑らかに接続され、スタジオでの音響製作や試写室での品質チェックに求められる高水準の音質を提供しています。JBL社の独自開発のトランスデューサーを使用し、ウーファーからツイーターまで全ての音響変換器をカバーしています。

オリジナルの設計技術により、大音量時でも歪みを極限まで低減し、映画監督が求める音質を劇場で忠実に再現。低域ドライバーは優れた放熱性を持ち、高い音圧を維持しながら実効感度の低下を最小限に抑えます。長時間の再生でも、スペック通りの音圧を持続します。

5742

画像引用元:JBL公式サイト

4ウェイ構成で、ピーク時の最大出力音圧は142dB SPLです。このシステムはクアッドアンプ駆動であり、大規模なシアターシステムだけでなく、高品質な製作スタジオにも最適です。

中域と中低域には、各8インチ(203mm)のドライバーを4つずつ使用しています。ディファレンシャル・ドライブ方式の採用により、中域の再現性能が従来の水準を超えて向上しています。低域には、18インチ(457mm)の2つのドライバーが採用されており、SVG(Super Vented Gap Cooling)技術を使用しています。これにより、低歪率で放熱性が向上し、大音圧が持続しても特性の変化が最小限に抑えられます。高域には、4インチ(102mm)のチタン製ダイヤフラムをネオジウム磁石で駆動する高出力のコンプレッション・ドライバーが使用されています。

5732

画像引用元:JBL公式サイト

3ウェイ構成で、ピーク時の最大出力音圧は136dB SPLです。このシステムはトライアンプ駆動です。

中域には、8インチ(203mm)のドライバーが2つ使用されています。5742と同様にディファレンシャル・ドライブ方式を採用することで、中域の再現性能が向上しています。低域には、15インチ(381mm)の2つのドライバーが使用されており、VGC(Vented Gap Cooling)技術を採用しています。高域には、5742と同様の4インチ(102mm)の高出力のコンプレッション・ドライバーが使用されています。

 

200 Series

画像引用元:JBL公式サイト

200シリーズは、劇場内のすべての座席に高品質な音響を提供する2ウェイ・スクリーンスピーカーです。
最新の指向性制御技術を採用しており、座席の配置による音の変化を最小限に抑えます。コンパクトなキャビネットはスペースに制約のある劇場に最適であり、2ウェイ構造の採用により導入コストも抑えることができます。200席以下のスクリーン数が多い劇場では、簡単に音質を向上させることができます。

映画館の最後座席まで一定の音圧を提供

独自の二段異種アレイ(Dual Dissimilar Arraying)技術が開発され、シアターの最後部まで一定の音圧を提供します。この技術では、異なる特性を持つ2つの高域ホーンが使用され、座席面に合わせた垂直指向パターンが形成されます。また、2つの高域ドライバーは、それぞれ異なるクロスオーバー周波数の信号で駆動されます。この技術はC222HP、C222、C221の3つのモデルに搭載されています。

会話の明瞭度がUP

アコースティック・アパーチャー(Acoustic Aperture)技術が低域ドライバーの指向特性を向上させるように装備されています。この技術は、高域ドライバーとのクロスオーバー領域で指向性を広げ、中域の特性を向上させることで、ダイアログの明瞭度を高めます。この機能はC222HP、C222、C221の3つのモデルに搭載されています。

劇場の空間を有効活用

C222HPはわずか356mmの奥行きであり、さらにC222、C221は316mm、C211は305mmと非常にコンパクトです。これにより、スクリーンの裏側のスペースを節約し、劇場の空間を効率的に活用できます。既存のスピーカーを更新する場合でも、設置スペースに関する問題はありません。

C222、C221、C211はすべて内蔵ネットワークを備えています。これにより、最小限のパワーアンプとシグナルプロセッサーで動作し、機材費用を削減できます。どのモデルも、CROWN製のパワーアンプと組み合わせることで最高の性能を発揮します。

 

Subwoofers

画像引用元:JBL公式サイト

映画館での視聴体験において、迫力のある重低音は欠かせません。
JBL PROFESSIONALのサブウーファーは、評判の高い大口径の低域ドライバーを採用しており、歪みの少ない力強い低音を提供します。独自の設計を施した磁気回路により、大きな音圧でも実効感度が低下せず、長時間の再生でも一貫した音圧を保持します。また、放熱性にも優れており、信頼性も高いです。

 

Surround Systems

画像引用元:JBL公式サイト

優れたサラウンドスピーカーは、観客が映画の世界に没頭したような体験を提供できます。
JBL PROFESSIONALのサラウンドシステムは、没入型サウンドを実現するために必要な高音圧と広帯域に対応しています。優れた指向性制御により、観客席全体をカバーし、シアター全体に包み込まれるような臨場感を創出します。

 

映画館をより一層楽しもう!

映画館

映画館といえば大きなスクリーンが主役になりがちですが、次回映画館に訪れた際は、少しだけ音響設備を意識してみてはいかがでしょうか?それぞれのシアターによるサウンドの違いを感じてみるなど、いつもと違った角度からも映画を楽しむことができるかもしれませんね。

オーディオランドでは、「映画館」や「劇場」、「ライブハウス」など、プロフェッショナル使用の音響システム買取も多数の実績がございます。
また、音響システムの入れ替えや、移転、閉業に伴う大量査定も無料でご対応させていただきます。
長年真面目に培ってきた業界ネットワークと「専門知識」を最大限に活用し、「高額査定」をお約束いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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