昨年創立50周年を迎えたAccuphase (アキュフェーズ)音への信念の歴史

昨年、創立50周年を迎え、記念モデルとして第一弾としてプリメインアンプE800から第五弾としてのメインアンプA-300までを発売し、Accuphaseファンは勿論の事、多数のオーディオファンを虜にしたことでしょう。

オーディオランドでも昨年度中頃より今年にかけ、記念モデルへの買い替えの際の下取り品として多数のAccuphase製品を買取させていただきました。中には直前のモデルにあたるA-250やC-3850からの買い替えとして買取させていただきました。これは何より、Accuphase社の50周年の集大成と位置づけ発表した製品の進化と完成度の高さと顧客からのAccuphaseへの信用の表れと思います。すごいですね。

またご存じの方も多いかと思いますがAccuphase社は創立以来の生産終了品のパーツ類もオリジナルパーツを可能な限り保管し、旧モデルでも出来る限り修理を受付けてくれるという、顧客や自社商品に対する責任がすごいことで知られています。

今回はハイエンドオーディオメーカーであるが決して高飛車ではなく、オーディオファンに寄り添ってくれていると感じるエピソードが多数あるAccuphase(アキュフェーズ)の事を書いてみたいと思います。

アキュフェーズの沿革

画像引用元:アキュフェーズ公式ページ

アキュフェーズの前身であるケンソニック株式会社は、1972年(昭和47年)にトリオ株式会社(現在は株式会社JVCケンウッド)の創業者である春日仲一(かすがなかいち)氏と二郎(じろう)氏の兄弟により東京都大田区に設立されました。そして1982年(昭和57年)にケンソニックからアキュフェーズに社名を変更。アキュフェーズは、Accurate(正確な)とPhase(位相)を組み合わせた造語で、製品のブランド名として当初から使用されていました。

設立時のメンバーは、全員トリオ株式会社出身で、創業者の春日兄弟はオーディオブーム到来時に多数のメーカーが乱立し大量生産モデルが中心となっていく中、数より音の高級品のみを作りたいと退社し、その考えを同じくしたメンバーとケンソニックを設立しました。ケンソニックの製品群の中で現在もファンが多いプリアンプC-200の初期モデルは、サブパネルカバーにはKensonic、モデル名にはAccuphaseと二つの名前が記載されていました。

 

兄の仲一氏が営業、弟の二郎氏が技術、という兄弟の絶妙なコンビがあったからこそ、「弟が精魂込めて作った一級品を、兄が丁寧に扱ってくれるお店だけに卸す」というスタイルが、日本ではなかなかブランドを確立できなかった高級オーディオの市場で存在感を示し、軌道に乗せるという理想を実現したといえます。

当初は経営陣と設計技術者の十数名で始まり、生産を開始する数ヶ月後には65名の社員数となりました。この65名という社員数は現在もほとんど変わっていないのですが、その理由は「会社を大きくせず、量よりも質を追求し、専門化の基本を固守する」という、創業時からの経営方針を守っているからです。

1973(昭和48)年には、デビュー作となる3モデル、AM/FMステレオチューナー「T-100」、多機能ステレオコントロールアンプ「C-200」、150W+150Wのステレオパ ワーアンプ「P-300」が発売されました。(下記写真)当時の大卒初任給が6万円弱という時代に、「T-100」は15万5000円、「C-200」は16万5000円、「P-300」は23万円と、非常に高価な製品でした。にもかかわらず、妥協のない本物志向の製品で、製品の仕様に 「保証特性」を表示するという真摯な姿勢が高く評価され、売れ行きは予想を上回るものとなりました。

 

画像引用元:アキュフェーズ公式ページ

一般の大手メーカーが新製品を開発するときは、マーケット調査を基に販売価格を決定し、それから製品設計を行いますが、アキュフェーズは違いました。理想の性能を追求し、最良の部品を集めて作った結果、この価格になってしまったのです。アキュフェーズの真価は適正に評価され、オーディオ雑誌などの多くの賞を受賞し、オーディオ愛好家の熱烈な支持を獲得しました。コストを気にせず品質を追求する姿勢や、後にご紹介する徹底した製品管理や誠実なアフターサービスなどは、大手メーカーには真似できないアキュフェーズならではのあり方です。

その後、合併の誘いやOEMの申し込みも多かったそうですが、すべて拒否してきたといいます。また、アキュフェーズは株式を公開していません。なぜなら株式を公開すると外部株主の意向を意識し、収入や利益の増加に向けた経営方針に傾く可能性があるからです。このため株式は公開せず、こだわりを重視した製品開発など、長期的視野に立った自由な経営方針を貫いています。

 

徹底した品質の追求

DP-950 DC-950

アキュフェーズは得意分野に特化するという方針から、スピーカーを製造せず、CDプレーヤーとアンプを専門に製造しています。アキュフェーズ製品から奏でられるサウンドは、空間を一変させるほど素晴らしく、心を打たれます。さらに機器の操作感や肌触りがまたすばらしいのです。

アキュフェーズが独自開発したアナログ処理による「AAVA方式」というボリュームコントロールは、性能面だけではなく、操作感にもこだわっています。アルミ削り出しで作成されたダイヤルは手触りが非常に心地よく、ダイヤルを回す時のちょうど良い重さや質感も絶妙です。このダイヤルとセンサー機構部分だけでも相当なコストがかかっているそうで、細部にわたって妥協など微塵もありません。

 

画像引用元:アキュフェーズ公式ページ

また、製品はベルトコンベアーを使わず、完全ハンドメイドで組み立てられています。1日の生産台数はわずか20台程度で、各担当者が納得のいく作業を完了したら次に送ります。そして完成した製品は全品検査が行われます。振動によるチェックは心臓ペースメーカー検査用の機器を使うという精密さというから驚きです。筐体内の部品とコードの位置関係がほんの少しの歪の原因になるので、完成後に束ねたコード位置、数ミリで発生する小さな歪をデバイスで計り調整します。この歪は実際に耳で聞いても分からないレベルのようですが、ここまで拘ることが製品の品質を生み出してい流のでしょう。そして最後に人の耳による視聴検査が行われます。ここで終わるのかと思いきや、それだけではありませんでした。製造部で行われる検査と別に、品質保証部でも全品検査が行われるのです。アキュフェーズでは、製造部と品質保証部の二重の検査が行われています。

さらに眼を見張るのは、検査時に「履歴カード」というものが製品1台毎に付けられるということです。これは言うなれば医療機関のカルテのようなもの。検査時に見つかった不良個所やその時に部品を交換したなどの履歴が記入されます。この履歴カードは、シリアルナンバー付きで保管されている為、修理やオーバーホールを依頼された時に有効に働きます。そして新たに修理内容などが記されて再び保管されます。アキュフェーズの技術陣は、一つひとつの製品に個性があり、その個性を理解していれば、速やかに正しくケアが出来ると話します。こうして製造されたアキュフェーズの製品には5年間という長期保証が付けられ、お客様の手元に届けられます。

 

手厚いアフターサービス

画像引用元:アキュフェーズ公式ページ

アキュフェーズは、徹底してクオリティを追及する真摯な姿勢で、流通の完全なトレーサビリティとユーザーを失望させない信頼の長期サービス体制を確立してきました。「お客様に使い続けていただける限りサービスに終わりはない。」という理念も、アキュフェーズの経営方針です。

一般の電子機器の修理部品の保管は製造終了後8年と経済産業省によって推進されています。しかしアキュフェーズでは、ほとんどすべての製品の部品が8年を過ぎても長期間保管されています。生産が終了した一部の部品は代替品を使って修理し、特別な故障以外は、創設時から現在まで販売した全製品の修理が可能となっています。そして修理された製品は、担当者が書いた修理内容の書類と共に返送されます。オーディオ愛好家にとって大切な製品をいつでも修理をして高性能に蘇らせてくれるという安心感は、アキュフェーズに対する高い信頼を築いているに違いありません。

 

毎年の年賀状発送

アキュフェーズでは、過去一回でも購入し保証登録をしたユーザー全員に、毎年年賀状を発送しています。この年賀状はユーザーにとても好評で、年々枚数は増加し2022年には約5万通を発送したそうです。またこの年賀状は、お客様との関係を大事にするコミュニケーションの一環ともなっているといいます。ユーザーが登録している保証登録は、何かトラブルが発生した場合に迅速に対応できるデータベ ースとしても役立っているそうです。

 

創立50周年記念モデル第4弾「E-5000」

ここではアキュフェーズ創立50周年記念モデルの第4弾、AB級フラグシップ・インテグレーテッドアンプ「E-5000」に注目してみたいと思います。「E-5000」は、これまで同社が培ってきた技術がふんだんに投入されたモデルです。AB級プリメインのフラグシップとしての完成度が高く評価され、「オーディオ銘機賞2022」で銀賞を受賞しました。

気品のあるシャンパンゴールドのフロントパネルとレベルメーターは、すっかりアキュフェーズのインテグレーテッドアンプの象徴となり、国内はもとより海外のオーディオ・ファイルからも高い人気と絶大な信頼を獲得しています。それは、その洗練された外観ばかりではなく、自社開発の技術が内部に搭載され、マスター音源に迫る躍動感ある音楽を楽しませてくれるからでしょう。

 

「E-5000」の特徴

E-5000の姿で印象的なのは、高さ211mmの存在感あるサイズです。これは、記念モデル第一弾のE-800に次ぐ大きさになります。技術的特徴としては、アキュフェーズのインテグレーテッドアンプとしての出力電力を史上最大限まで高め、E-800に出来る限り近づけている点です。

E-5000は定格連続平均出力で、240Wch)、350Wch)を出力します。ヒートシンクに取りつけられた出力段基板には、パワー・トランジスターが5パラレル・プッシュプル構成となっており、この基板上の信号入力部と電力増幅部は、インスツルメンテーション・アンプ構成の完全バランス伝送となっています。また同一回路を並列駆動させることによって、歪み率など諸特性をアップするMCS+回路が搭載されています。カレント・フィードバック増幅回路を採用することで、高域の位相特性に優れているのも特徴です。

次に電源部には、大型で高効率なトロイダルトランスを1基、40,000μF100Vの大容量・高音質フィルターコンデンサーを2式搭載しています。これによりパワフルで安定した電源部を実現しています。さらに小信号に対処するプリアンプ部では、専用電源回路を搭載することでパワーアンプ部との干渉を防いでいます。またその搭載位置をパワーアンプ部から離すことで、入力端子から出力までフルバランス構成のE-5000は、E-800と同様にダンピングファクター1,000という優良な特性を獲得しました。

その他に特筆する点は、アキュフェーズが長い時間をかけて進化させてきたバランスドAAVAボリュームを搭載していることです。これは、時間と共に劣化しないだけでなく、SN比を低下させず、滑らかで、デリケートな調整も可能にします。

さらに、手触りが良く、適度な重みを感じるボリュームコントロールには、精密で重厚なセンサー機構が搭載されています。回路全体でいえば、保護回路のMOS FETスイッチが例になる様に、伝送距離を小さくし、音質劣化の可能性がある個所に工夫をしています。

最後に、その音質に注目です。楽器が少ないヴォーカル曲を再生すると、アーティストの実在感や息遣いまでもが伝わるような臨場感を鮮明に感じさせます。次にジャズやクラシックを再生すると、内部に搭載された技術が発揮され、力強い制動力の高さを体験できます。弱音の再現性が高いので、A級アンプに詰め寄る豊かな倍音も魅力です。

 

まとめ

国産高級オーディオ製品のアキュフェーズは、「量より質の追求」を掲げ、少数精鋭主義、会社規模を拡大しない、株式は上場しないなどの経営方針で、そのこだわりを守り続けています。厳重な品質管理の下で設計・製造されたアキュフェーズ製品は、長期間の動作保証付で信頼性・安全性の非常に高い製品となりユーザーに届けられ、徹底したライフタイム・アフターサ ービスを実現しています。
音に、性能に、品質に、デザインに「こだわり」を持ったモノを、納得が行くまで徹底的に創り込むアキュフェーズ・ブランドは、これからもオーディオ愛好家の支持を堅持することでしょう。

『アキュフェーズ製品を高価買取いたします!』

オーディオランドでは、Accuphase製品を高価買取させていただきます。買取をご検討されている方は是非査定だけでもご依頼ください。また、お手元のオーディオ機器やリモコンの動作に不具合がある状態でも大丈夫です。オーディオランドでは自社専門スタッフによる熟練の技術と知識で「修理・メンテナンス」を行い、次のオーナー様に橋渡しをさせていただきます。

技術スタッフによるメンテナンスの様子は「こちら」のブログをご覧ください。
また、Accuphaseの買取実績は「こちら」からご覧いただけます。

買取をご検討されているオーディオ愛好家の皆様、
まずは無料の査定お見積もりだけでもお気軽にご依頼くださいませ。
春風が心地よい日々、どうぞ心穏やかにお過ごしください(^^♪

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