なぜJBLとMcintoshは相性が良いのか?アメリカンサウンドのシナジー効果に迫る

オーディオマニアの中では、JBLのスピーカーとMcIntoshのアンプは王道組み合わせで、相性の良さは抜群と言われています。
なざこの2つのメーカーは相性が良いといわれているのか。

また、JBLとMcIntoshを語る際に欠かせない「アメリカンサウンド」。
この「アメリカンサウンド」、実はよく知らない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はJBLとMcIntoshの関係性やアメリカンサウンドについて深堀して解説いたします。
両社の歴史や代表的な製品の特長についても掘り下げていきますので、ハイエンドオーディオ初心者の方にこの両社の魅力が伝われば幸いです。

ところで、アメリカンサウンドとは?

そもそもアメリカンサウンドとは何なのでしょうか。
アメリカンサウンドには「西海岸サウンド」と「東海岸サウンド」の2種類が存在します。

西海岸サウンド

西海岸サウンドは中音域を軸にしたサウンドで、軽快でメリハリのある音が特徴です。
西海岸サウンドを代表するメーカーはJBL(ジェイ ビー エル)やALTEC(アルテック)などがあります。

東海岸サウンド

東海岸サウンドは中低音域重視のサウンドで、深みのある音が特徴的です。
西海岸サウンドよりも華やかさはありませんが、落ち着いた重厚感のあるサウンドを楽しめます。
アメリカンジャズを聴くなら東海岸サウンドのオーディオが一押し。
東海岸サウンドを代表するメーカーはMcIntosh(マッキントッシュ)、AR(アコースティック リサーチ)など。

アメリカンサウンド以外の特徴

アメリカンサウンド以外にも、「ヨーロピアンサウンド」や「ジャパニーズサウンド」などがあります。
これら2つのサウンドにも個性があります。

ヨーロピアンサウンド

ヨーロピアンサウンドにもいくつか種類があり、「イギリスサウンド」や「ドイツサウンド」などがあります。
両方に共通しているのは中高音域を軸に音作りがされているところです。
中低音域を軸にしたアメリカンサウンドとは正反対の音作りといえるでしょう。

ジャパニーズサウンド

ジャパニーズサウンドは「無機的で冷たい音」と称されることが多く、ハイエンドオーディオ界ではあまりポジティブな意味で使われていません。
どういうことかというとジャパニーズサウンドはバランスが良くモニター用として評価はあるけど、音楽を楽しむには向いていないサウンドということです。
ですが、クリプトン社のスピーカーKX-5Pはそんなジャパニーズサウンドのネガティブなイメージを払拭するようなサウンドを作り上げました。
現在はジャパニーズサウンドも海外製品に引けをとらない音になりつつあります。

JBLとは

この章からはアメリカンサウンドの代表格である、JBLとMacintoshについて掘り下げていきたいと思います。
それぞれどのような歴史や特徴があるのか、詳しくご紹介していきます。

JBL社の歴史

JBLは1946年にジェームス・B・ランシングによって設立された、大手スピーカー関連メーカーです。
ジェームス・B・ランシングはスピーカーユニットの天才エンジニアで、多くのスピーカーユニットを開発しました。
JBLは家庭用オーディオ製品やホームシアターなどの家電製品の製造だけでなく、映画館やコンサートホール、レコーディングスタジオなどで使用される業務用機器も製造しています。
1969年にJBL社はジャービズ・コーポレーション(現ハーマン・インターナショナル)に買収されています。

JBLスピーカーの特徴

JBLはコンサート会場や映画館にも採用されておりパワフルな音の出力が求められる場面で力を発揮できるスピーカーです。
低音域の音の厚みには定評があり、ジャズ愛好家からの支持が厚いスピーカーです。
そんなJBLスピーカーの音の秘密は「ホーン」と「30センチを超える大口径ウーファー」にあります。

ホーン

JBLのスピーカーのほぼすべてにホーン(フロントロードホーン)が採用されています。
つまり蓄音器やトランペットのようなラッパ状の形状を採用して音を響かせているんです。
このホーンを使用するとリアルな音の響きを再現することが可能になり、まるで目の前で演奏をしているかのような表現力があります。
ホーンの形状から見てもトランペットやサックスなどジャズでよく使われるような楽器の音色と相性が良さそうですね。

30センチを超える大口径ウーファー

現在のスピーカー市場で採用されているウーファーの大きさは20センチほどの大きさのものがほとんどです。
ですがJBLのハイエンドオーディオ機種のスピーカーは30センチを超える大口径ウーファーを搭載しています。
小型ウーファーでは音を小さくすると霞んでしまいがちな低音も、30センチのウーファーは面積が大きい分、空気を振動させる力がパワフルになるため重厚な低音を楽しむことができます。

JBLスピーカーの主なラインナップ

ここからは、JBLハイエンドスピーカーの主なラインナップをご紹介します。

JBL4367

JBL伝統の380mm大口径ウーファーを搭載し、広域には独自構造のD2デュアルドライバーが採用されています。
また、JBLの特徴であるホーンはXウェーヴガイド・ホーンが採用されており、クリアなサウンドと高感度な音響バランスを実現しています。

JBL4429

JBL4429は300mmの大口径ウーファー「1200FE-8」と歪の少ない高域再生を実現する50mm径のコンプレッション・ドライバー「175Nd-3」、クリアな超高音域を再生する19mm径コンプレッション・ドライバー「138Nd」を搭載しています。

JBL4307

JBL4307は定価78,000円(税別)とハイエンドスピーカーとしては低価格ですが、上位機種譲りの高性能ミッドレンジを軸に構成されています。
・250mm径ピュアパルプコーン・ウーファー
・125mmポリマーコーディング・ピュアルプコーン・ミッドレンジ
・38mmデュアルレイヤー・ダイアフラム・タンジェンシャル・リングツイーター
上記の構成により、長時間のリスニングでも疲れることのない低歪モニタリングが実現しています。

JBL K2 S9900

JBL K2 S9900はEVERESTシリーズと並ぶJBLのフラッグシップモデルです。
380mm径ウーファー「1500AL-1」は大型100mm径ボイスコイル、プレミアムピュアパルプコーンを採用しています。
100mm径コンプレッション・ドライバー「476Mg」はJBL初の高純度マグネシウム合金を採用。
25mm径コンプレッション・ドライバー「045Be-1」は超高域用ドライバーとして機能します。

JBL S4700

存在感のあるフロア型キャビネットを使用し、風格を感じるデザインに仕上がったJBL S4700。
380mm径ウーファー「2216Nd」は驚異的なエネルギーとスピード感を表現します。
50mm径コンプレッション・ドライバー「175Nd-3」は歪を抑えた伸びのある高域再生を実現。
19mmコンプレッション・ドライバー「138Nd」はクリアな超高音域とパワフルなサウンドの再生を実現しています。

Mcintoshとは

ここからはMcintoshについて掘り下げていきたいと思います。
JBLのスピーカーは大口径ウーファーを搭載したパワフルで重低音に定評のあるメーカーでしたが、それに対してMcintoshはどのような特徴があるのでしょうか。

Mcintosh社の歴史

Mcintosh社は1949年にフランク・H・マッキントッシュによってワシントンに設立されました。
半世紀以上続く老舗の専業オーディオメーカーです。
多くのオーディオメーカーの製造が人件費の安い国に移行していく中、メイドインUSAにこだわり世界中にファンを抱えています。
特にアンプ製品の技術が評価されており、どのスピーカーと組み合わせても最高品質でドライブします。
また、Mcintoshのアンプの外観的特徴として「ブルーアイズ」と呼ばれるメーター表示があります。
オーディオ好きなら一度は憧れるアンプですね。

Mcintoshアンプの特徴

Mcintoshアンプの特徴は出力トランスの「オートフォーマー」を搭載していることです。
このオートフォーマー(通称:マッキントランス)を採用することでスピーカーのインピーダンス(電気抵抗)の高低に関わらず、広帯域の音を劣化させずに再生することができます。
これはトランジスタよりも電気を消費する真空管アンプ時代からの名残りですが、パワフルな音の出力にも安定感が生まれますし、アンプ自体やスピーカーの保護にも一役買っている機能です。
厚みのある低音・穏やかな中音域・瑞々しい高音、音楽の「色気」を十分に表現するマッキンサウンドは、創業当時から進化し続けている「オートフォーマー」によるものと言って良いでしょう。

Mcintoshアンプの主なラインナップ

ここからは、Mcintoshアンプの主なラインナップをご紹介します。

C1100

C1100の主な特徴は以下の通りです。
・2シャーシ構成
・新設計のプリアンプ部
・新世代のボリュームコントロールICを採用
・豊富な入出力
・真空管プリアンプとして、IC回路を減少
・プリアンプラインナップの中で最高品質のヘッドフォン出力搭載。
・伝統のガラスパネル
・新型リモコン採用

C49

C49はアナログレコードからハイレゾ音源までのすべての音楽ソースに対応しています。
すべてのデジタル入力を独立したスロットインにし、モジュールに統合することで、将来新たなフォーマットができた際にモジュールを交換することで新フォーマットに対応できる仕組みになっています。
今後、数年から数十年にわたって活用できる機器になっています。

MC1.25KW

MC1.25KWはMcintoshの新世代フラッグシップ機です。
・1200Wの定格出力。
・ワイドレンジ出力オートフォーマーは広帯域特性を犠牲にせず、各負荷(2,4,8Ω)にバランスよく出力を供給します。
・新デザインのマッキントッシュ・モノグラム・ヒートシンクは放熱効率を高めたデザインになっています。

MC611

MC611はMC601の後継機で、新世代モノラル・パワーアンプです。
・600Wの定格出力。
・ワイドレンジ出力オートフォーマーは広帯域特性を犠牲にせず、各負荷(2,4,8Ω)にバランスよく出力を供給します。
・特許取得済みのマッキントッシュパワーガード回路を導入することによって、アンプのオーバードライブを防止し、スピーカーの破損を防ぎます。

MC303

MC303はMcintosh伝統の出力トランス「オートフォーマー」をマルチチャンネル・パワーアンプとして初搭載しています。
・1チャンネルあたり300ワット、計900ワットの出力が可能。
・3チャンネル同時に300ワットの出力が可能。
・「パワーガード」、「セントリー・モニター回路」など、Mcintosh独自の保護回路を搭載。

JBLとMcintoshはなぜ相性が良いのか

JBLとMcintoshの組み合わせが定番になった理由は定かではありません。
筆者の考察ですが、McIntoshとJBLの共通点は下記3点が浮かび上がります。
・重低音領域の表現が得意
・大きな音、強い電流の出力への対応力が高い
・目の前で演奏しているような音楽の瑞々しい表現が得意
この3つの共通点が相性の良さに繋がっているのではと思います。

空気への振動面積が広い30センチ以上の大口径ウーファーと、ライブ感の表現力が高いホーン型を採用している表現力豊かなJBLのスピーカー、
大出力でも軽々乗りこなすMcIntoshのアンプ性能はオーディオ界の運命的なマリアージュではないでしょか。
「JAZZを聞くならMcIntoshとJBLの組み合わせが最高」とよく言われておりますが、ライブ感やその場の息遣いが特徴的なJAZZの音楽性とも両メーカーの特徴がマッチしています。そういえば、JAZZの発祥もニューオーリンズ、アメリカンサウンドでした!
また、乾燥した西海岸サウンドであるJBLに、油の乗った東海岸サウンドであるMcintoshを組み合わせることによって、より深みのあるサウンドになっているのではないかと推測できます。

Mcintosh社は自社サイトでJBLスピーカーとの組み合わせは定番であると自ら言及しています。
それほど、JBLとMcintoshの組み合わせは相性が良いといえるでしょう。

この記事で、少しでもハイエンドオーディオの魅力が伝われば幸いです。

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