映画館の音響設備とJBLスピーカーとの深イイ関係

音響機器に少しでも興味のある人なら、映画館の音響がどうなっているのか考える人も多いのではないでしょうか。

皆さんがよく行かれている

・TOHOシネマズ
・CINEPLEX
・MOVIX
・cinema sunshine
・イオンシネマ

などごくごく普通の劇場では行って確認するだけではスピーカーがどうなのかとかは分かりません。
サラウンドで壁側に設置されている小型スピーカーもありますが、映画館用の巨大スピーカーはスクリーンの裏に搭載されている場合がほどんどだからです。

今回は、映画館の音響設備の歴史から、現在の映画館で使用されている音響機器、特にJBLについてご紹介します。

音響設備の歴史

映画館のイメージ画像
映画館に音が導入されて以来、約110年が今では経とうとしています。
映画館のサウンドの歴史については、大きく3つに分かれます。

・創世記
・マルチトラック時代
・デジタル時代

創世記

1910年に初めて、実験として映像と音声を同時に映写する方法がなされました。
その後1927年に、『ジャズ・シンガー』(The Jazz Singer)が初めて一般公開された映画としては音の入った映画となります。
ですが、このときは歌を歌う部分のみ音が出る作品で、まだ作品全体として音を出せるようになったわけではありませんでした。
音はSound-on-Discという形式で、フィルムと同期したディスクから音を出す構造でした。
1929年に上映された、『The Broadway Melody』という映画で初めて、全ての台詞、歌詞、踊りに音が入れられました。
このときは、フィルムに録音をするSound-on-Filmという形式が採用されました。

この頃から、大衆は映画に対してより一層の興奮と感動をサウンドに求めるようになりました。
良い映画か見極める尺度に、「サウンドの質」、「音楽の質」が加わったのです。
大恐荒の荒んだアメリカの社会背景に、映画は希望と可能性に満ちた存在でした。
その後、映画館は次々と音響装置を充実化させることになります。

マルチトラック時代

1935年には、2ウェイスピーカーシステムが開発され、以後20年はこれが劇場では標準的になります。
俗に言う、『マルチトラック時代』の幕開けであり、1990年にデジタルサウンドトラックによる映画の上映まで続きました。

1937年にはマルチチャネル録音で処理された最初のフィルムである、『One hundred men and a Girl』という作品が世に出回ります。

1940年は、スクリーン後部に3台のスピーカステムを配置し、壁面に65個の小型スピーカーシステムが取り付けてディズニーの『ファンタジア』(Fantasia)が上映されました。
この方式は音の分離性や方向感が絶賛されましたが、当時は第2次世界大戦や太平洋戦争の影響による戦争事業が優先され、売上的には成功しませんでした。

1952年、『This in Cinemara』が上映されたのを機に、サラウンドを含むマルチトラックシネマサウンドが始まりました。

1953年には4トラック磁気方式サウンドトラックが使用されます。

1963年にはシネマの音はまた大きく変わり、レコードとして発売されていた音楽を、ミュージカルサウンドトラックの多くに使用されるようになりました。
この方式は1973年まで一般的になりました。

1974年、センサラウンド方式と呼ばれるサウンドシステムが考案されました。
こちらの方式は、大きな低域ホーン4本がスクリーン裏に設置され、2本が前方コーナーに設置されました。
加えて2本のホーンが劇場の後壁床面に配置される形です。
また同じ年に、ドルビーサラウンドやドルビープロロジックとして知られる家庭用民生機バージョンの元になった「ステレオ4チャネル光学ステレオバリアブルエリア(SVA)」を発表しました。

1982年、THXサウンドシステムが初めて導入された映画が上映されました。

THXシステムとは、劇場の建築音響が映画を心地よく見るために残響時間などが適切に設計され、スクリーンスピーカーシステムが特別な施工方法で対応されています。
また、独自のクロスオーバーネットワークを使い、厳格な音響機器仕様と性能を備えたTHX設定機器を使うなど多くの条件を兼ね備えたものになります。
つまり、良い機器を使うというだけでなく、映画環境の劇場作りも考慮するようなシステムなのです。

デジタル時代

デジタル時代は1990年から始まります。
1990年に、初めてのデジタルサウンドトラックである『Ciemara Digital Sound』を使った映画が上映されました。
この方式は、今までの光学アナログ方式と一緒に使うとかなり高額になったのが難点でした。

1993年にはDTSサウンドが生まれました。
CDロムに入っている6つのトラックをと、フィルムに入っている光学方式のタイムコードトラックとを同期させる方式です。
今では一般的にDTSサウンドは、「高音質なサラウンドフォーマット」として知られています。

1998年、ドルビー(Dolby)は映画サウンドプロセッサーを5万台以上を世界中で売り上げました。
この時点で、ドルビーは映画の音響機器業界において不動の地位を獲得したと言えます。
そして同じ年の1998年、完全デジタル化のサウンドトラックを持つ初の映画が公開されました。

現在、映画館でよく使用され評価されている上映方式

ここからは現在日本の映画館でよく仕様されており、また評価されている映画の上映方式について紹介します。

IMAX

IMAXの特徴としては、没入感と興奮にあふれる音響が挙げられます。
大型のスピーカーで迫力満点です。
映像関連に関しても、明るい画面とクリアな3D効果が魅力です。
横長画面のシネマスコープサイズよりも縦に長い画角での表現が可能など、独自のスペックで評価が高いです。

Dolby Atmos

ドルビーアトモスでは、前後左右、天井にまで備え付けられたスピーカーによるまるで天井から音が降り注ぐような音が楽しめます。
迫力のサウンドが3D的に発せられるだけでなく、それぞれのスピーカーが違う音をが出るのも特徴です。
例えば、キャラクターが下から上に移動する時、本当に上へ飛んでいくようなリアルな音が楽しめます。

THX

THXシアターというのをご存じでしょうか。
日本全国に8つしかないシアターで、厳格な音響基準を乗り越えた劇場のみが、「THXシアター」です。
THX株式会社が認定をおこなっています。
THXシアターで見る映画は、製作者の意図を正確に再現できる基準をクリアした劇場ではありますが、最高の音響を保障している訳ではありません。
なので、評価は個人差があるようです。

映画館の音響といえば…JBL!

JBL(ジェービーエル)といえば、アメリカ合衆国のカリフォルニア州ノースリッジに本拠地を置く音響機器製造会社です。
JBLの社名の由来は、創業者のジェームズ・バロー・ライシングからきています。
映画館の音響を語るうえで外せないのがJBLの存在です。
JBLは歴史的にも映画館と一緒に発展したと言っても過言ではありません。
映画館での世界的シェアは70%以上であり、1983年にルーカスフィルム社が提唱したTHXシステムにいち早く認定されたのもJBLです。
一方、特殊な機能が必要な国際的なモニュメントの建物やウィーンやシドジーのオペラハウス、オスカーのコダックシアター、NYのヤンキー・スタジアム、シアトルのセーフコフィールドにもJBLが採用されています。
また、高級車メルセデスのマイバッハからトヨタのプリウスまでカーステレオとしても装着されているのです。

私たちの映画文化を豊かにしてくれているJBLの映画音響をを改めて確認してみましょう!

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画像引用元:JBL公式サイト
500~1200席の大規模な劇場用に設計された超大型スピーカーです。
高さは約3m、4個のコーン型低域ドライバーを独自のダイアモンド・クアッド・アレイ構成で配置しています。
圧倒的な出力パワーを発揮しながらも、歪みによる干渉を最低限に制御し、安定感を支える冷却システムを持ちます。
また、中域から音の方向を制御できる仕組みになっています。
数々の有名なシアターで稼働していますよ。

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画像引用元:JBL公式サイト
コンパクトなキャビネットから高音質を実現する3000シリーズの機種です。
250席までの小規模劇場用に設計されたスピーカーシステムです。
低域ドライバーは15インチ(38cm)のコーン型ウーファーを搭載しています。
高域ドライバーには1.75インチ(44mm)のチタン製ダイアフラムを使用し、自然な音質が特徴です。
滑らかで均一な指向特性のフラットフロント・バイラジアル・ホーン搭載により、高域ドライバーの保護機能を装備しており、安定感を高めています。

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画像引用元:JBL公式サイト
JBL PROFESSIONALのサラウンド・システムのシリーズです。
このスピーカーシステムのおかげで、観客は音に包み込まれるような臨場感を体感できるのです。
迫力のある音圧と幅広いレンジで映画への没入を演出しています。
劇場内の天井壁際に等間隔で設置されているので気軽に見ることができるTHX認定シアター用のスピーカーになります。
8.6kgと軽量で、取り付けやすく、形状が同じタイプの兄弟分に8320、8350があります。
10インチ(254mm)の低域ドライバー、ISO2969イコライザーを搭載しており迫力のあるサウンドに最適です。
映画館使用の受注生産ですが、ピュアオーディオとしてもポテンシャルがあり中古市場でも人気があります。

音響システムに注目すると、映画館がもっと楽しくなる!!

映画館と言うと、よく映像にフォーカスされがちですが、音響設備は映画の質を左右する重要な要素です。
映画館に行ったときさりげなくスピーカーをチェックしてみてはいかがでしょうか。
お気に入りの映画は2回、3回足を運ぶという方は、違う映画館で観賞すると音響システムの違いを感じることができておもしろいかもしれませんね。

オーディオランドでは、映画館や劇場、ライブハウスなど、プロ使用の音響システムの査定も実績があり、常時承っております。
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