カートリッジの MM/MCって?昇圧トランスってどんなもの?
アイキャッチ画像引用元:DENON公式ホームページ
CDやストリーミングと並んで益々人気を集めているのがアナログレコードです。それとともにアナログレコードプレーヤーの人気も高まっていますね。アナログプレーヤーの愛好家さんはCDのレーザーピックアップとは異なり、ぬくもりのようなものを感じられるカートリッジにこだわりがあるのではないでしょうか。カートリッジの良し悪しでアナログプレーヤーの魅力が増減するとも言われます。それほどカートリッジはアナログプレーヤーにとって重要な部分です。
このブログを読んでくださっている方の中には、カートリッジを購入したいけどよく分からない、そんな方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、カートリッジってどんなもの?その仕組みは?そんな疑問にオーディオランドがお答えします。カートリッジに関して詳しく知りたいと思われている方はぜひご覧ください♪
目次
カートリッジの基礎知識
そもそもカートリッジって?
カートリッジとは機器の部品のことで、差し替えが自由にできるものを指します。たとえば万年筆のインクやコピー機のインクなどもカートリッジと言われるものです。
そして、オーディオ機器でカートリッジと言えばレコードプレーヤーの針を含むピックアップ部分を指します。カートリッジの一部はレコードの音溝に接する針(スタイラス)とそれをサポートするカンチレバー、そしてその後方に設置されている発電コイルで構成されています。
カートリッジの仕組み
アナログレコードはどのように音を再生するのでしょうか。その仕組みを簡単にご説明しましょう。
まず、回転しているレコードの音溝に針を落とします。すると、針とカンチレバーが振動し、その振動を電気信号に変換してアンプで増幅します。その増幅された信号でスピーカーを振動させることにより音楽が再生されるという仕組みです。ですのでカートリッジとは、レコードの盤面の音溝に記録された信号をひろう部分ということになります。
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カートリッジの種類
レコードの音溝を針が走ることで針とカンチレバーが振動し、その振動が電気信号に変換されますが、電気信号に変換される際に利用されるのがコイルと磁石です。
振動により磁場が動くことでコイル内でかすかな電流が生まれます。
カートリッジはこのコイルと磁石を配置する組立によって、主にMM型とMC型の2つのタイプに分けられます。
MM型、MC型以外のタイプもありますが、ここでは主流のMM型とMC型に焦点を当てたいと思います。
MM型
カートリッジで一番多い方式が「MM型」と言われるものです。MMとはムービングマグネット(Moving Magnet)の略として知られます。
構造はカンチレバーにマグネットが装着されており、カンチレバーの動きによってマグネットが振動しコイルに出力電圧が発生する仕組みです。
特徴としてはMM型はMC型よりも振動の構造がシンプルで、針交換が出来る点や、量産しやすい為に比較的リーズナブルな価格であることです。
出力においてはMC型の約10倍高く(約3mV)、再生する際はアンプのフォノ端子に直に接続します。出力はコイルの巻き数を増やすことで容易に変更出来ます。
MC型
もう一つは「MC型」です。MCとはムービングコイル(Moving Coil)の略となります。
構造は、針と正反対のカンチバレーの末端にコイルが巻かれてあり、向かい側にマグネットが位置します。このマグネットが生み出す磁場の中を、針に直結したコイルが動くことで出力電圧を発生させます。
狭い箇所に精密にコイルを巻くという職人技が必要となる為、大量生産が難しくMM型に比べてお値段が高価になります。メリットとしてはその構造上、振動の回転支点がはっきりしている為ノイズが発生しづらく、精巧な音質が得られます。また音の入り口と発電系がダイレクトなことによる音の切れ味もMC型の特徴と言えるでしょう。
一方、コイルの巻数が大きく増やせないため、出力が低い(約0.3mV)というデメリットもあります。そこでMC型の場合にはMC型対応のフォノイコライザーやアンプ、または出力を増幅する昇圧トランスやヘッドアンプが必要になります。
MC型に必要な機材
MC型はコイルの巻き数を増やせない為に出力が低く、出力を増幅する為には電圧を上げる装置が必要になります。
そのような装置が「昇圧トランス」や「ヘッドアンプ」と言われるものです。
「昇圧トランス」とは電圧アップをトランス方式で行うもので、「ヘッドアンプ」とは電子式回路で行うものです。次にそれぞれの特徴を見ていきましょう。
昇圧トランス
電圧の像幅に最も使用されているのが「昇圧トランス」です。MCカートリッジ専用の機器なので「MCトランス」とも呼ばれます。
昇圧トランスとはコイルの巻数比を利用して電圧を上げる仕組みで、この昇圧トランスを使えば電源を使用せずにパワフルな音を獲得出来ます。ノイズにも強く安定感があるのも特徴です。一方で電気回路と繋がっていない為、オリジナルの音を再現するのは難しく、特に超高域や超低域ではロスが生まれやすいと言われています。帯域はカマボコ型です。
昇圧トランスは、アンプがMCカートリッジに対応していない場合に必要となります。またアンプがPHONO入力を備えていない場合は、昇圧トランスだけでなくPHONOイコライザーも用意する必要があります。
ヘッドアンプ
MCヘッドアンプとも呼ばれるMCカートリッジ専用の「ヘッドアンプ」は、電気信号をトランジスタの増幅素子を用いて電子的に高める装置です。昇圧トランスに比べて、ヘッドアンプは電源が必要になります。その為、ノイズ対策が困難であることがデメリットとも言われます。音の特徴としてはワイドレンジでフラットな傾向です。周波数の特性に関係なく、全体をフラットに増幅出来るので、微細な音楽からオーケストラなど様々なジャンルの音楽を昇圧することが可能です。
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いかがでしたでしょうか。どのカートリッジを選ぶかによって音が大きく異なります。加えて必要となる機器も変わってきますね。様々なカートリッジで試聴し、皆様のお好みの音を生み出すカートリッジを選べると良いですね。
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