小さな空間でのオーディオシステムは不利なのでしょうか?では壁がない屋外はどうなる?

アイキャッチ画像引用元 : Sonusfaber official

以前のブログでも書いた『ルームチューニングを楽しみましょう』ですが、限られた空間で音の反射や反響を調整することで音質改善を楽しみましょうという趣旨であったと思います。
では今回は、そもそも小さな空間ではオーディオを聴くのは不利なのか?また逆に壁がない屋外ではどうなのか?といった、答えがわかりそうでイマイチ曖昧な感じになりそうなテーマで進めたいと思います。

小さな空間でオーディオを聴くのは不利なのか?

コンパクトなリスニングルームでは、「部屋鳴り」と呼ばれる現象が発生します。つまり、部屋のサイズに合わせて生じる低音域の定在波のことです。低域の音がうまく抜けず、ブーミーな音場や狭い空間特有の圧迫感は、これらの定在波の影響を受けています。

一方、森の中のような木々に囲まれた場所は、非常に心地よい音響環境であることが知られています。こうした場所では、部屋内のように低音域がこもらず、中高音域は程よい反響を持っています。

ということは、小さな空間でオーディオを聴くことは不利なのでしょうか?
小さな部屋で大掛かりなオーディオシステムを組んでも意味がない、また鳴らしきれない等のお話をよく聞きますね。確かに音域は大事かと思いますが、逆に壁がない空間ではどうでしょうか?音はどこかで反響するものです。森の中のように木々に囲まれた特殊な空間は別として、やはり広すぎる空間では音が薄っぺらく感じるでしょう。

それでは、小さな空間で最高の音を楽しむためには何をすれば良いのか。その方法が、ルームチューニングです。以前ブログで紹介しましたように、やはりオーディオは反響調整作りが肝心なのです。

 

小さな部屋は一次反射音を重視する

画像引用元 : Sonus faber 公式サイト

音がスピーカーから発せられると、それは3つの経路を通じて聴覚に到達します。最初に耳にダイレクトに届く直接音、壁などに何度か反射してから耳に達する初期反射音、そして無数に反射し空間全体に広がりながら耳に達する残響音です。

大きな空間、たとえばコンサートホールなどでは、残響音のエネルギーバランス(残響時間の周波数特性)が楽器の音色に大きな影響を与えます。一方、小さな空間、たとえばオーディオルームでは、初期反射音、特に1次と2次のものが、個々の楽器、コーラス、ボーカリストのパフォーマンス、感情表現に敏感で高揚させる音質と音場をもたらす重要な要素となります。ですから、オーディオルームにおいては、初期反射音のクオリティ向上が最も優先したい課題となります。

 

六畳程の部屋を最適なリスニング環境に整える方法

スピーカーの位置

多くの方は、スピーカーに近づき過ぎないよう、部屋の後方センターにリスニング・ポジションを取る傾向があります。しかし、スピーカーから離れると、反射の影響 がより強く現れることになります。音楽を純粋でクリアなサウンドで楽しみたい場合は、スピーカーにもっと近づいて音楽を聴いてみてください。

スピーカーの設置場所は、しばしば軽視されがちですが、実は音響において非常に重要です。特に音楽イベントなどで高音質を追求する場合、「スピーカーの配置はどこにするか?」が最も肝要な要素と言えます。誤った場所にスピーカーを配置してしまった場合、その後の微調整やルームチューニングの努力も虚しく、優れた音質を得ることは難しいでしょう。逆に、スピーカーを最適な位置に配置できれば、ルームチューニングに頼らずとも、素晴らしい音質を実現することができます。

 

コンパクトな部屋での最適ポジション

画像引用元 : Sonus faber 公式サイト

通常、ほとんどのリスナーは音楽を聴く際にスピーカーを壁に平行に配置しています。しかしながら、この配置では音の拡散が制限され、スピーカーの左右とリスナーの間でわずかにしか拡がらないという制約が生じます。

しかし、両方のスピーカーを少し前方に配置し、さらにスピーカーを部屋の壁に対してわずかに斜めに配置すること(通常、3度から5度の傾斜で効果的です)により、音は著しく広がるようになります。さらに、リスナーがスピーカーに近づくことで、音場が一層広がり、音像はスピーカーのセンターにコンパクトに配置されます。これは、スピーカーから発せられる「直接リスナーに到達する音」と、「壁面で反射してリスナーに到達する音」の比率を変えたことによる変化です。良い感じに配置できれば、このアプローチによって音場は前後左右に広がり、リスナーを包み込むような音場空間を体験できるでしょう。

この方法は、小さな部屋で聴くスピーカーの音質を向上させる最もシンプルな方法の一つです。

 

音質と残響の関係

音楽表現において、音の大きさと小ささの対比がよく用いられます。大音をより壮大に、小音をより繊細に表現できれば、音の幅広さ(ダイナミックレンジとも呼ばれる)が増大し、音楽はよりダイナミックで魅力的になります。

例えば、静かな空間では小さな音が鮮明に聞こえますが、騒音の中では小さな音は埋もれてしまいます。言い換えれば、リスニングルームが静かであればあるほど、大きな音量を必要とせず、音楽を楽しむことができます。一般的に「深夜が音楽を楽しむには最適」と言われるのは、電源からのノイズが軽減されることに加えて、周囲の環境が静寂であるため、微細な音まで明瞭に聞き取ることができるからです。

では、静寂を維持するために周囲の騒音を遮断することが解決策なのでしょうか?実際には、そうではありません。スピーカーから発せられた音は、ただ消えてしまうのではなく、壁や床で反射して残響を生み出します。この残響がノイズとなり、小さな音が聞きづらくなる原因となっています。

それでは、残響を完全に排除すれば音質が向上するのかというと、そうでもなく、美しい残響はコンサートホールのように音楽を豊かに響かせる役割を果たします。しかし、不快な残響は必要な音に被さり、音を濁らせたり、音の広がりを邪魔してしまいます。
そこで、不快な残響音である「定在波」が生じないように工夫をする必要があるのです。

 

定在波対策の実践

音質を追求していくうちに直面するテーマのひとつに「定在波」があります。

定在波(フラッターエコー)は、壁と壁、天井と床などの平行な面間で生まれ、これがリスニングルームの不快な残響音となります。パネルや吸音材を使用して定在波をコントロールすると、音場は大きく改善され、音量を上げずに音楽を楽しむことが出来るようになります。特にスピーカーの数が多くなるサラウンドでは、定在波の調整がポイントになります。

実際に行う手順として、スピーカーの後ろと左右の壁に音の反射を抑えるために、カーテンを設置します。カーテンの生地は薄いものでも問題ありません。次に、壁とカーテンに沿って音がまわり込むのを防ぐために、音響パネルを壁に垂直に配置します。一般的にパネルは壁に平行に取り付けられますが、垂直に配置することで、音の拡散が大幅に向上するとともに音場が前後左右に広がり、音楽の楽しみ方が向上します。

スピーカーから発せられる音は、天井と床からも反射します。スピーカーの前方にあるフロアに、音の反射を抑える目的で毛足の長いカーペットやムートンを敷くと、音場は上下に拡大するようになります。
どちらも調整が手軽なので、理想の音を追求して自由に変更することができます。

 

音で部屋を広く感じさせるコツ

画像引用元 : Sonus faber 公式サイト

狭い部屋ではないけど、思ったより広さを感じない…。ゆったりとした空間が欲しいけど、予算がない…。このような状況でも、音の特性を活かすことで問題を解決できるかもしれません。

実際、狭さを感じる原因の一つに、音が近すぎるという事があります。ここでの音には、直接聞こえる音と、反射して聞こえる音の両方が含まれます。
逆に、音が発生してから私たちの耳に直接届くまでの時間や、反射音が到達するまでの時間が長ければ、部屋を広く感じることができます。例えば目を閉じていても、聞こえてくる音から空間の大きさを予測できるように、私たちは視覚だけでなく、聴覚を通じても空間のサイズを感じることができるのです。

そのため、音の特性を利用して小さな空間を大きく感じさせる方法があります。簡単にできる方法としては、スピーカーの配置変更です。例えば、スピーカーを自分の方向に向けると、音は直接自分に向かってきますが、スピーカーを壁の方向に斜め上に向けると、反射音が加わり、響きが生じます。この結果、空間をより広々と感じることができるようになるのです。

 

まとめ

画像引用元 : Sonus faber 公式サイト

結果、壁は必要です。もちろんシステムや用途も違いますが、運動場で聴く音楽は最高の音楽ではなかったはずですよね。また音はどこかで反響します。ですから、壁というより「反響調整材」が必要だと思われます。
おさらいになりますが、小さな部屋で音質を向上するためには、「定在波のコントロール」が重要となります。より良いリスニング環境で音楽を楽しむために、スピーカーの位置を変えたり、反響調整材を活用したりして、自分だけのお気に入りのリスニングルームを作れると良いですね。

最後に、オーディオランドのブログでは、音質向上に役立ついくつかの記事をご紹介しております。是非下記のブログもご覧ください。

⚫︎ピュアな信号伝達をサポートする「クリーン電源」に関して→
「ハッキリ、すっきり劇的に音質向上!?クリーン電源がもたらす効果」

⚫︎費用をあまりかけず簡単に音質向上が期待できる「インシュレーター」に関して→
「インシュレーターでオーディオの音の変化を楽しむ。今更聞けない「インシュレーター」の楽しみ方」

⚫︎「吸音材」のタイプや使い方のご紹介→
「わたしの考える吸音材によるオーディオの音を改善する方法」

最後までご覧いただきありがとうございます(^^)
季節の変わり目ですので、ご自愛ください。

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