TRK-339(テープレコーダ研究会)を買取させて頂きましたのでご紹介いたします

今では希少な存在となりましたTRK-339をお譲りいただきました。しかも3セット。パッと見はAMPEXのAG-350に似ているこのオープンデッキは知る人ぞ知るTRK(テープレコーダー研究会)の会員のみに販売されたモデルと聞いております。今回のブログでは、ステレオ・テープデッキの歴史からTRK(テープレコーダー研究会)の歴史、同会が世に送り出したTRK-331・33BX・339にスポットライトを当ててご紹介したいと思います。

画像引用元:SONY公式ホームページ

ステレオ・テープデッキの始まり

日本で最初に登場した普及型のステレオ・テープレコーダーは、1955年12月にソニーから発売されたTC-551型と言われていますね。その後は、1957年頃からSONY(ソニー)、AKAI(アカイ)、TEAC(ティアック)など数社がアメリカをメインにステレオ・テープレコーダーを輸出していました。ソニーを除いてはOEMブランドとして輸出し、並行して国内では自社ブランドとして販売していました。
また、海外からは早くからステレオ・テープが輸入され、日本国内でも製作していましたが、45/45方式のステレオ・ディスク登場により、限られたオーディオマニアを除いては、ステレオ・テープレコーダーは米国ほど盛り上がりを見せませんでした。当時の日本ではステレオ・テープデッキの種類も少なく、価格も安価ではありませんでした。

 

画像引用元:SONY公式ホームページ

ステレオ・テープデッキの盛況

1957年、創立間もない東京電気音響株式会社(後にティアック株式会社に商号変更)からステレオのテープ・トランスポート・ メカニズムが発売されました。また1958 年には、三文字 誠氏が代表を務め、会員向けにメカのキットを開発していたテープレコーダ ー研究会が331型の頒布をスタートしました。さらに早くからメカ・キットを発売していた増尾電機株式会社も1960年にはステレオ・メカを発売し、 そして放送用テープレコーダーで有名なDENON(デノン・デンオン)が HiFi 用ステレオ・ メカを発売しました。
これに伴い、ついにテープデッキの自作マニアが活気付いてきました。すでにステレオ・テープレコーダーの国内販売を始めていたソニーも、1964 年になって初めてメカだけの再生専用機、そして自作マニアのための録音・再生アンプなしのテープデッキTC-263D型(上写真)を発売しました。

 

TRK(テープレコーダー研究会)とは

米国のアンペックス(300型)テープレコーダーはアマチュアにとって熱望の的でした。そこで1952 年頃、機構部品を含め自作しようと神田小川町のエコー商会の三文字 誠氏が中心となってテープレコーダー研究会(TRK)が創設されました。技術的な面は、日大・機械工学部出身で、テープ・プリントを本業にしていた高橋 功氏がサポートしました。
代表の三文字氏は、戦前に満州の放送局で技師を務めていたそうです。三文字氏、高橋氏ともにテープレコーダーの製造に関してはアマチュアで、趣味趣向を同じくするTRK研究会の仲間は最盛期には1000名以上に上り(最終的には3,000人に達し入会を閉め切ったそうです。)、1957 年秋の全日本オーディオフェアには試作品を発表するまでになりました。そして翌年、1958年のオーディオフェアにおいて331型を発表しました。331型の完成度はアマチュアの作品とは思えないクオリティで、自作マニアの多くを魅了しました。

 

TRK研究会設立の時代背景

この頃の背景として、1957年の4月に春日無線工業(株)が国産初の市販FM受信機、トリオFM-100型チューナーを発売します。同社は創業者で技術責任者であった春日二郎氏を中心に早期からアメリカの大手ラジオ販売店、ラジオシャックに向けてFMチューナーを開発していました。トリオFM-100型の発売は4月で同年の12月にNHKによる実験放送が始まったので、初めはREALISTICブランドの製品として米国ラジオシャック向けのOEM商品として設計されました。1957年の年末にNHKのFM放送東京実験局が開局すると、国内用に周波数帯を変更し、TRIOのロゴを追加した形で登場しました。

NHKのFM放送東京実験局の開局が1957年12月、続いて翌年2月に大阪実験局が開局しました。1960年にはFM東海が実験放送を開始。トリオを始めに山水、ナショナルから専用チューナーがたちまち発売され、翌年には各社から一挙に発売されました。とりわけトリオのFM-100型に続いて登場した、約6千円の廉価版チューナ ー・キットFM-110C型は、アマチュアのエアチェックを進展させ、TRK研究会のメカ・キット頒布にとって理想的なタイミングとなりました。

 

TRK 331 型

TRK331型は3モーター方式で、キャプスタン・ドライブは4極インダクション・モーターをアイドラーで減速しています。19と9.5cm/s の2 スピード、リール軸のブレーキはアンペックス形のバンドブレーキに板バネ接点をつけてリレーを省略しており、押ボタンはスタートとストップのみとなっています。その為、再生・早送り・巻戻しの切換えはロータリースイッ チで行います。価格は¥30,000、ステレオ・ヘッドは別売りで1 組¥13,000で販売されました。

331型の頒布が開始されて間も無い1958年10 月に、アマチ ュア会員の鈴木 重行氏が331型を自作アンプと共に木製ケースに収めて、録音を含めた5押ボタンに改造しています。その後、何度か改良が加えられ、鈴木氏の母校・都立日比谷高校の放送部で長年使われていました。現在は同校が1978年に迎えた100 周年記念資料館に保管・展示されています。

 

TRK 33BX 型

1965年になるとTRK研究会からも全押ボタン式メカ、33BX型が発表されます。33BX型の開発はリレー回路と機構部の改良に時間を費やしたようです。

33BXは、キャプスタン・モーターに4 極ヒステリシス・シンクロナス形を使用しています。テープ速度 (19cm/s、9.5cm/s)の切換はアイドラー式で、キャプスタン駆動は中間アイドラー式となっています。価格はデッキのみで ¥47,000、別売りのステレオ・ヘッドは1組 ¥7,500です。シールド・ケースはデッキに付属しています。アンプの部品キットは1チャンネル1式で¥18,500、配線調整済みは ¥21.000でした。

 

TRK 339 型

33BX型と同時期の1965年に、アンプのプリント基板や10 インチ・リールのメカ・キットである339型が発表されました。この339型は 非常に好評でTRK研究会の会員に¥72,500、別売りのステレオ・ヘッドは¥7,500で頒布しました。

メカ操作部の構成は、左から電源スイッチ、ネオン・パイロット、4つの押しボタン、バックテンション切換とテープ速度の切換(19cm/s、9.5cm/s)となっており 、押しボタンは PLAY(再生)・STOP(停止)・REWIND(巻戻し)・FAST FORWARD(早送り)の順となっています。キャプスタン・モーターは2極と4極のヒステリシス、シンクナス形で、キャプスタン駆動はフライ・ホイールの外側にモーターを圧着させています。アンプ部においては、プリント基板と録音再生各2 枚を組み込むかたちになっています。価格は部品1式で¥60,000、 配線調整済で¥70,000でした。

今回お譲りいただいたTRK-339のお写真が下記になります♪
大変貴重なTRK339型をお譲りいただき誠にありがとうございました!

TRK研究会の後期

TRK研究会の事務所は、初期の神田小川町から新宿区愛住町に移転し、さらに1970年頃にテープ・プリント業務と合わせて新宿区箪笥町に移転ました。TRK会員向けの会報は、初期は三文字氏が手書きで謄写版印刷し、宛名印刷も謄写版型の輪転機を使用されていましたが、後に会員が増加したことにより印刷所での簡易印刷に変更し、最終的には正式なオフセット印刷で制作されるようになりました。そして1973年の年末まで会報を発行されていたようです。

1980年代に入り、三文字氏がお亡くなりになると自然とTRK研究会も終わりを迎えます。その後、TRK研究会の会員の方々は放送局やテープレコーダーメーカー等に就職し、各界でご活躍された方も多いと聞きます。三文字氏や高橋氏が創出したTRK研究会の存在はオーディオ業界にとって大変意義深いものだったと言えるでしょう。

 

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