今更聞けないシリーズ、オーディオケーブルの種類と違いとは?

 

オーディオを使用する際に必要なオーディオケーブル。XLR、RCA、フォンプラグなどがありますが、XLRとRCAでは音質の変化は感じられるのでしょうか?スピーカーやアンプと違い、ケーブルはオーディオの花形ではありませんが、ケーブルがもたらす音の変化は想像以上であり、それぞれに適したケーブルを使うことで、より良い音が実現できることは間違いありません。最近ではオーディオケーブルも重要視され、非常に高性能で高価なものも販売されています。オーディオは、電気信号である音の波をできる限り損なわずに原音を再生できるかというのが大切ではありますが、ケーブルを通す事で音に色付けがされ、それが「良い音」と感じることも少なくありません。オーディオをはじめる時、いちばんはじめにくじけそうになるのがケーブル関連のややこしさですよね。今回のブログでは、たかがケーブル、されどケーブルと言われるケーブル選択の入口として、そして今更聞けないベテランのためにも「オーディオケーブルの種類と違い」についてお送りします。

オーディオケーブルの種類

アナログだけで接続する以前までのオーディオ機器であれば、アナログかデジタルかだけの違いでしたが、最近ではテレビやパソコン、ネットワークなどにもつなげるようになったため、ケーブルの種類がひときわ多くなりました。

PCやスマートフォンの音楽をスピーカーで再生するには、有線か無線(Bluetooth等)で接続することになります。無線の場合はきちんと設定さえすればつながりますが、有線接続の場合はアナログかデジタルか、またアナログでも音声伝送方式がバランスかアンバランスかなど様々です。そのあたりが従来よりも複雑になっている点でしょう。それでは順番にオーディオケーブルの種類を見ていきましょう。

 

アナログ接続

アナログ接続とは、アナログの信号を伝送する時に使用する方法です。オーディオ機器の入出力用アナログ端子には、アナログケーブルで接続します。アンプとプレーヤーをつなぐ場合などに使用します。アナログ接続では「バランス伝送」と「アンバランス伝送」(シングルエンドとも表記される)があるため、ケーブルもそれぞれに対応した種類を選ぶ必要があります。同じ伝送方式でもケーブルのプラグの形状が異なる場合があるので注意しましょう。

 

バランス接続

交流電流では、電流が出て行く側を「HOT(ホット)」、帰ってくる側を「COLD(コールド)」と呼び、電流はプラスとマイナスを行ったり来たりしています。
また、電流がケーブルを通る際、オーディオ信号はとても小さな信号なのでノイズの影響を受けてしまいます。そのため、ケーブル内にある二本の芯線(HOTとCOLD)を金網状のシールドで覆う処理が行われます。これを「GND(グランド)」と呼びます。つまり、ホットとコールドとグランドの三種類の電線を使用して信号の交換が行われます。これがバランス方式です。
ホットとコールドとグランドは、それぞれが独立しているので大変安定した状態で伝送できます。そのため、バランス接続ではノイズが発生しにくいという利点があります。

 

XLRケーブル

バランス接続の代表格ケーブルが「XLRケーブル」です。キャノン社(カメラのCanon社とは異なる)が製作したものなので「キャノン・ケーブル」とも呼ばれています。
XLRケーブルには3つのピンがありますが、現在の国際基準では「1番=グランド」、「2番=ホット」、「3番=コールド」となっています。ごくまれに「3番=ホット」がありますので注意してください。

XLRケーブルのプラグ先端はオス(凸)とメス(凹)で形状が異なり、1本で1チャンネルの信号を伝送します。オーディオ機器の入力端子にはオスプラグを、オーディオ機器の出力端子にはメスプラグを接続します。

XLRケーブルはマイク接続に使用することが多いのも特徴です。ケーブルが長くてもノイズを受けにくいため、ライブやコンサート、放送局といった場所で使われています。その他には高級シンセサイザーやステージピアノ、ヘッドホンアンプやデジタルオーディオプレーヤー、パワーアンプ等との接続に使用されます。

 

XLRケーブルのメリット・デメリット

XLRケーブルのメリットはノイズが乗りにくいことです。ノイズを受けてもノイズを打ち消し合う仕組み(ノイズキャンセリング)が備わっているため、ノイズの発生しやすいPCオーディオをはじめとするデジタルオーディオを使用する場合は、XLRケーブルを使用した方が有利となります。
ライブ会場やコンサート会場、放送局などでXLRケーブルが採用される理由は、長いケーブルを使用せざるを得ない環境でのノイズ対策と言えるでしょう。XLRのコネクタは、構造上頑丈でロックがついているので抜けにくいというメリットもあります。デメリットとしては、XLRはケーブルや回路が複雑になるため比較的コストが高くなるという点です。

 

アンバランス接続

アンバランス接続は二本の線で接続します。具体的には、グランド(シールド)をコールドとしても使用します。つまり、ホットとグランドの2種類で信号を交換する方式です。アンバランス方式ではバランス方式と比べるとノイズの影響を受けやすくなりますが、コスト面では安価で済むというメリットがあります。

 

RCAケーブル

アンバランス接続で代表的なものが「RCAケーブル」です。オーディオ機器で一番よく見かけるケーブルですのでご覧になったことも多いかと思います。オーディオのみならずAV機器全般で使用されている一般的なケーブルです。ケーブルの先端は赤と白で色分けされており、これはチャンネルを表しています。ステレオの場合は右(R)と左(L)がありますが、分かりやすいように赤(Red)が右(R)となっています。

最近はデジタル方式の映像音声を行うHDMIなどが主流となっているので、見かけることが減りましたが、ビデオやゲーム機器からテレビに繋ぐ赤・白・黄の3本に色別けされたケーブルもRCAケーブルです。赤と白がステレオ信号で左右の音声を伝送し、黄色が映像信号を流すのに使用されます。
RCAケーブルはピンケーブルとも呼ばれ、先端のプラグはピンプラグ、ピン端子などと呼ばれています。余談ではありますが、RCAの名前はアメリカの家電メーカー「Radio Company of America」の略称に由来しているそうです。

 

フォンケーブル

フォンケーブルは両端にフォンプラグが付いおり、ヘッドホンなどでお馴染みのケーブルです。シールドケーブルと呼ばれることもあります。名前の由来は元々標準タイプが電話交換機用に使用されていたことにあるようです。
フォンプラグにはモノラルとステレオの2種類があります。モノラルフォンプラグの先端には黒い線が一本、ステレオフォンプラグの先端には線が二本入っています。

モノラルフォンプラグは、ギターのシールドケーブルやモノラルケーブル、アンバランスラインケーブルに使用されます。一方でステレオフォンプラグはステレオケーブルやバランスケーブル、ヘッドホンのケーブルに使用されます。フォンケーブルで一般的に使用されるのは、後者のステレオフォンプラグです。ただし業務用オーディオ機器、楽器用などではモノラルフォンプラグが使用されます。

 

TRS・TS・TRRSの違い

ステレオフォンプラグの構造としては、先端からTip(チップ)、中間部がRing(リング)、下部がSleeve(スリーブ)という名前がついており、別名「TRSフォンプラグ」と呼ばれています。

また、モノラルフォンプラグの別名は「TSフォンプラグ」です。先端の尖った部分がTip(チップ)で、長い柄がSleeve(スリーブ)です。間にある一本の黒い線は、2つの部分が相互にショートするのを防ぐための絶縁体となっています。TSフォンプラグを見て、黒い線がTRSの「R」(リング)であるとイメージしがちですが、TRSのRが示すリングはプラグ内の中央に存在しています。TRSフォンプラグの3つの導体は、2つの黒い絶縁バンド(黒い線)で区切られています。

チップは信号を伝送し、スリーブは通常グランドです。ケースによっては、ステレオ信号やバランス信号を送ったり、あるいはエクスプレッション・ペダルのように分圧したりするために導体が追加で必要となることがあります。このようにアプリケーションに3つ目の芯線が必要な時はモノラルフォンケーブルでは正しく機能しないため、ステレオフォンケーブル(TRSケーブル)が必要となります。

その他のタイプとして最も一般的なのは、2つのリングが存在し計4つの導体を持つTRRSです。TRRSプラグは、マイク付きのステレオ・ヘッドセットによく使用され、グランド、左チャンネル、右チャンネル、そしてマイクの4つの信号を流す導体に使用されます。

フォンケーブルで注意が必要なのは、フォン端子(プラグ)にはサイズの違いがあることです。
一番大きいサイズが直径6.3mmの標準フォン端子です。次に、スマホやパソコンなどでよく使われている3.5mmのミニフォン端子です。そしてさらに小さい2.5mmのミニミニ端子、あるいはマイクロミニ端子と呼ばれるものがあります。フォンケーブルを接続するときには端子のサイズに気をつけましょう。

 

画像引用元:マランツ公式ホームページ

デジタル接続

デジタル接続とは、デジタルの信号を伝送する時に使用する方法です。オーディオ機器のデジタル入出力端子はデジタルケーブルで接続します。デジタル接続は、信号の伝達による劣化がなくノイズが発生しにくい点が特長です。デジタルの伝送方式には、主に光(オプティカル)と同軸(コアキシャル)の2種類があります。また、パソコンが音楽制作や音楽再生に使用されるようになり、USBやLANケーブル等もデジタルオーディオの伝送手段として使用されるようになりました。

 

光デジタルケーブル

光デジタルケーブルとは、デジタル音声信号を伝送するためのケーブルで、ケーブルに光ファイバーを使用しているのが特長です。オプティカル(OPTICAL)と呼ばれることもあります。コネクタには角形と丸型があり、コネクタの形状が異なる場合は変換アダプターで対応することが出来ます。一般的に角形コネクタは、設置タイプのオーディオ機器やテレビなどに、丸型コネクタはノートPCなどに備え付けられています。目の健康のためにも直視するのは避けていただきたいのですが、実際にケーブルに信号を通すと、名前の通り先端中心がほんのりと光ります。

 

同軸デジタルケーブル

デジタルケーブルのもう一つが、同軸デジタルケーブルでコアキシャル(COAXIAL)とも呼ばれます。同軸デジタルケーブルの形状はアナログ接続でご紹介したRCAケーブルと同じです。デジタル入出力ができるオーディオ機器でも、同軸デジタル端子はハイエンド製品に備え付けられていることが多いです。

 

USBケーブル・LANケーブル

USBケーブルとは、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)の略称で、コンピューターでよく使用されるケーブルです。コンピューターのキーボードやマウスなど周辺機器を接続することに使うのでご存知の方も多いと思います。オーディオ機器での用途は、USBメモリーを接続してメモリー内の音楽データを再生するといった目的で使用されます。USB端子にはA、B、C、ミニ、マイクロなど様々な種類があります。

ネットワーク対応のオーディオ機器では、ネットワーク接続用にLAN端子も装備されています。有線LANネットワークに接続する際に、LANケーブルを接続して使用します。ネットワーク上にある機器とデジタル信号の伝送をおこない、インターネットに接続してストリーミング再生をしたり、アプリを利用してスマホやタブレットでリモート操作をすることが出来ます。
ちなみに、無線LANあるいはWi-FiとはLANケーブルを無線化したもので、設定をすれば接続することが出来ます。

 

画像引用元:マランツ公式ホームページ

まとめ

結論RCAで接続する場合と、XLRで接続する場合は通過する回路が変わります。「回路が違う=通過するパーツの数や種類が違う」のですから、当然音も違ってきます。

オーディオ対談やネットなどで「RCAよりもXLRが音質が上」と度々評されるのは、長い距離を引き回した場合、RCA接続ではノイズが発生するのに対し、XLR接続ではノイズが発生しないことから、放送局やスタジオでXLR接続が使われることが多く、業務用に使われているからXLR接続は音が良いとされていると思われます。オーディオはケーブルの品質、材質などで良くも悪くも変化し、音質の好みは人それぞれですので一概には言えないようです。

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