ハッキリ、すっきり劇的に音質向上!?クリーン電源がもたらす効果
以前(2022.7.03掲載)『オーディオマニアの追及はどこまでも。』でお伝えしたように、電気の流れで音のノイズから音質まで変化しますので、オーディオ機器を動作させるためのエネルギー源である「電源」は、そのクオリティが音の満足度を決めるうえで非常に重要な要素となります。しかし、ご家庭には電源を歪ませたりノイズを発生したりする電気製品が多数あり、ピュアな信号伝達を意図するオーディオ機器にとって、ハイファイ性能を大きく妨げる原因となっています。そこで今回は「クリーン電源」についてご紹介させていただきます。本記事ではクリーン電源の効果や選び方、またおすすめの製品もご紹介しますので、お手持ちのオーディオ機器の音質をもっと向上したい、クリーン電源の導入を検討している、という方は是非参考にしてみてください。
目次
画像引用元:IsoTek公式Instagram
クリーン電源とは
クリーン電源とは、電源から発生するノイズや音のひずみを抑制する機器です。「交流安定化電源」という名前ですが、オーディオ機器のプレーヤーやアンプにつなげてオーディオ機器に流れる電気を濾過するため、クリーン電源と呼ばれています。
クリーン電源の種類と特徴
クリーン電源には大きく分けて「パッシブ方式」と「アクティブ方式」の2種類があります。それぞれ特徴がありますが、パッシブ方式はノイズフィルター機能やノイズカット機能に特化しているので効率が高く、また機能が少ない分リーズナブルなのが特徴です。一方アクティブ方式では、ノイズ除去はもちろんのこと様々な制御機能が備わっているため、電圧・周波数の安定化や低歪化が出来ることが魅力です。
またアクティブ方式では、リニアアンプ方式とインバータ方式に分けられます。リニアアンプ方式は、内部に大きなトランスを搭載しており、その変換効率の低さからスケールの大きな熱対策が必要となり、重量もサイズも非常に大きくなります。これに対し、インバータ方式は変換効率が高いため発熱も少なく、小型で軽い傾向があります。インバータ方式が発明された当初は、輻射ノイズが発生するという欠点がありましたが、近年のノイズ抑制技術の進化により、このデメリットが解消され十分なレベルの製品が提供されています。
クリーン電源の選び方
まずクリーン電源を購入する際は、ノイズ除去をメイン機能とするパッシブ方式にするか、多機能で高性能なアクティブ方式にするかを選びます。この2種類には価格差もあるので、予算と併せて検討しましょう。
また、アクティブ方式では前述したようにリニアアンプ方式とインバータ方式があり、それぞれサイズや重量が変わってくるので、まずは設置環境や耐荷重を確認してから適した方式の製品に絞って選択すると良いでしょう。
また、クリーン電源を購入する前に具体的な効果を体験する為、レンタルを利用することも出来ます。高価な製品が多いクリーン電源は、リスニング環境によっても効果が変わるため、納得して購入する為にご自身の音響環境で試してみるのも一案ですね。
人気のクリーン電源5選
画像引用元:KOJO TECHNOLOGY公式ページ
Kojo(光城精工)Aray6MKII (MK2)
Aray6 MKIIは、ArayMKIIの性能を継承し出力容量を580VAとしたハイコストパフォーマンスモデルです。Kojo(光城精工)のクリーン電源は、電源環境を選ばないリジェネレータ方式を採用している為、マンションやアパートなどあらゆる建造物の電圧変動やノイズを排除します。常時変わらない電圧(AC100V±0.5%)を安定して供給し、トランスや冷却ファンを搭載していないので動作ノイズも発生しません。
試行錯誤で決定したLPF(ローパスフィルタ)の定数は、全モデルともこれまでのモデルに比べて大幅にサイズアップしています。また、チョークコイルのコア材には高純度電解鉄のマイロン(量産出来る電解鉄で世界一の純度99.99%を誇ります)を採用しています。
特許を取得した高性能PWMインバータのメインスイッチング装置には、高速低損失のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を採用し、インバータ入力段の平滑用コンデンサには、低インピーダンスかつ高リプル耐量のものを採用しています。さらに、高効率を誇る高性能PWMインバータの効果で、低損失・低発熱を実現しています。これにより従来のリニアアンプ方式に比べて大幅に消費電力を抑えられたECO製品となっています。
オプションとカスタマイズに関しては、標準仕様の100V 60Hzに加え、出荷時のオプションとして、出力電圧:100V~120V(1V単位)、周波数:50/60Hzの選択が出来ます。従ってAC100V仕様以外の海外オーディオ製品などにも対応します。また、入力電圧の200V対応の他、豊富な別売りオプションやバージョンアップカスタマイズも揃えられています。
オーディオ機器にAray6 MK2をつなぐだけで、より静かな空間に満たされ驚きの音場を提供してくれるといいます。Aray6 MK2で電源をクリーンにすると、ご自宅のリスニングルームで躍動感溢れる立体音像を楽しむことが出来るかもしれませんね。
「Aray6 MK2の主な仕様」
『交流出力』
●出力電圧:100V(±0.5%)
●出力容量:580VA
●出力波形歪率:0.80%以下(定格最大負荷時)
●瞬間最大電流:80A
●出力周波数:60Hz(±0.01%)
●出力コンセント:4口(HUBBELL 8300Ⅰ)
『交流入力』
●入力電圧:100V(±10%)
●入力容量:950VA
●入力周波数:50/60Hz
●無負荷時消費電力:30W
●サージ耐量:1000A(8/20μsec)
●インレット:INLET-G(FURUTECH)
『その他』
●方式:PWMインバータ方式(トランス・レス)
●使用環境:0~40℃(結露なし)
●サイズ・重量:432(幅) ・351(奥行き)・ 88(高さ) ・ 約10kg
画像引用元:Accuphase公式ページ
Accuphase PS-530
アキュフェーズのクリーン電源「PS-530」は、電源波形を成形して電源のクオリティを改善するという革新的な方法で、電源ノイズを排除しています。また、オーディオ機器と映像機器において音質と画質の両方を飛躍的に改善します。出力波形では、発振器を使用せずに取り出した基準波形をより高精度化し、パワー部との結合をバランス伝送にすることで、驚異的な低歪み率を実現しています。最大出力は、オーディオ機器の標準サイズで510VAを供給します。
「Accuphase PS-530の主な特徴」
●波形成形技術をメインにした交流定電圧装置
●最大出力510VAの高純度エネルギーを供給
●低歪み率の基準波形発生器
●優良な波形成形能力
●卓越した電流供給能力
●高い妨害排除能力
●出力電力の入・出力電圧の入・出力歪み率などをメーターでモニターすることが出来ます
●プロテクション機能の完備
●効率性の高い大型トロイダル・トランスを採用
●医療グレードの出力端子装備
画像引用元:IsoTek公式ページ
IsoTek EVO3 SIGMAS
IsoTek(アイソテック)はノイズから解放されたクリーンな電気を作り出すことで、Hi-FiオーディオファンやAVホームシアターファンに優れたサウンド&ビジュアル体験を提供するという展望のもと、2001年に英国で設立されたオーディオブランドです。現在、クリーン・パワー技術を牽引する先駆け的存在として世界中で注目されており、ユーザーは45ヶ国以上10万以上に上ります。IsoTekの全製品は厳しい品質基準の元、ヨーロッパの工場で職人の手作業により製造されています。日本においてもIsoTekのパワー・コンディショナー製品は高い人気を獲得し、一気に電源コンポーネントのトップブランドとして知られるようになりました。
IsoTekの「EVO3 SIGMAS」は、定格出力電流10Aの低出力/前段機器用コンセントを4系統、16Aの高出力/パワーアンプ用コンセントを2系統装備したパワーコンディショナーです。 同社のAQUARIUSに比較してコア・コイルなどのパーツもグレードアップしており、ひときわ強力なフィルター能力を保持しています。パワーアンプ用の出力フィルターは、20Aデルタフィルター2段に加えてパラレルフィルター1段の合計3段構成に強化され、パワーアンプ用出力のノイズレベルが大いに低下しています。 AQUARIUSと比較した優位性としては、前段機器用コンセントの容量が2倍に増強され、アースラインにもオリジナルのノイズフィルターを搭載している点にあります。IsoTekのオリジナル技術であるアースに対するフィルタリングは、システムのSN改善に多大な効果を発揮します。内部の配線材には非常に品質が高いSolid UPOCC(Ultra Pure Ohno Continuous Cast)を採用し、回路基板もきめ細やかに制作。ボリュームのある高品質銅を用いて銀メッキをコーティングするなど品質向上を徹底しています。
そしてEVO3 SIGMASの音質は、音が鈍ったりエネルギー感が減ることなくノイズだけを除去し、一音一音のメリハリが深まり、さらなる静寂と微細なレベルのサウンドが生き生きとリアルに再現されるといいます。これにはデルタフィルター、DCDフィルターと名付けられたIsoTekのオリジナルフィルターが貢献しているようです。この画期的なフィルターは、一般的に2種類に分類される電気ノイズ、「ディファレンシャル・モード・ノイズ」と「コモン・モード・ノイズ」の両方に対して効果を発揮し、コンポーネントのパフォーマンスを最大限に引き出します。
「IsoTek EVO3 SIGMASの主な仕様」
●入力電圧:AC 100V、50/60Hz
●入力コンセント:IEC 3P,、20A × 1系統
●出力電圧:AC 100V、50/60Hz(入力と同一)
●出力コンセント:IEC 3P × 6系統
●定格出力容量:最大1600VA
●定格出力電流:
・高出力:IEC 3P/16A × 2系統(各系統最大16A)
・低出力:IEC 3P/10A × 4系統(各系統最大10A)
●サイズ:445(幅) x 105(高さ) x 325(奥行き) mm
●重量:9.0kg
「注意点」
●海外(AC 100V以外)では使用不可
●製品が使用できる環境は、日本国内の商用電源(AC 100V, 50/60Hz)のみで、移動用や携帯用発電機、空港機、船舶などの電源は使用出来ません。
●合計16Aを超えるとSIGMASに内蔵されたブレーカーが働きます。
画像引用元:LUXMAN公式ページ
LUXMAN ES-1200
エネルギー源である電源の品質を極めて重要な要素だと考えたラックスマンは、同社初となるクリーン電源システム「ES-1200」を発売しました。ES-1200では、家庭用AC100Vの電源を新開発したシンクロナイズド・デルタ・コレクター・サーキット (サイン波形差分同期補正回路) により低歪化することに成功。ES-1200は、様々なオーディオ機器に最大1,200VA (内部損失分を含む) のクリーンな電源電力を供給することでコンポーネントの真価を引き出すクリーン電源システムです。
ES-1200は電圧補正型のクリーン電源システムで、入力された電源は、内蔵されたPCMデジタル50kHz/16bitの高解像度サイン波形データ (50Hz/60Hz自動切替) と精確なタイミングで比較され、その差分演算出力のみを補正信号として処理する新開発のシンクロナイズド・デルタ・コレクター・サーキット (サイン波形差分同期補正回路) によって、完全に低歪化 (AC90~110Vの広範囲な入力電圧に対応) しています。電源回路の出力を6パラレル接続のパワー素子によって増幅することで、最大1,200VA (内部損失分を含む) の電源電力を有しています。また、ダイレクト・カップリング方式を採用し、補正処理は電源のコールド (NEUTRAL) 側のみで行い、ホット (LIVE) 側の入出力間には直列に挿入される部品はありません。オーディオ機器のトランジェント特性を維持したまま、負荷変動へのハイスピードな応答性を実現しています。さらに、ACアウトレットに装備された高周波ノイズフィルターにより、電源に混ざった高調波ノイズのシャットダウンもおこないます。
ES-1200の外観は、超高効率電源回路の搭載で実現した軽量サイズ (17.5kg) の筐体に、精密なブラスターホワイトのパネル仕上げとなっています。背面には高い品質と信頼で名高いパナソニック製ホスピタルグレードのACアウトレットを8出力装備しています。プロテクション機能は、電源スイッチと連動するサーキット・プロテクターや、一定内部温度以上で働く強制空冷用静音ファンなどを装備した充実の内容となっています。
フロントパネルには、電源の使用状況が視覚で確認できる8段階のLEDアウトプット・レベルメーターと、さらに細かな情報 (入出力電圧、入出力歪率、出力VA) を示すマルチファンクション・ディスプレイを搭載しています。そして、ラックスマン独自のプレミアム延長保障適用により、無償保証期間が7年間という安心のサポート体制が保証されています。
「LUXMAN ES-1200の主な仕様」
●定格出力容量:1,200VA (内部損失分を含む)
●最大ピーク電力:2,000VA
●定格出力電圧:AC100±1V
●出力周波数:50 / 60Hz (入力周波数に同期)
●出力波形歪率:0.1%以下
●定格入力電圧:AC100V (入力電圧範囲 AC90V ~ 110V)
●入力周波数:50 / 60Hz
●冷却方式:自然空冷 + 強制空冷 (一定内部温度以上で動作)
●消費電力:20W (無負荷時)
●外形寸法:440 (幅) × 179 (高さ) × 421 (奥行き) mm (奥行きは●前面窓3mm、背面端子12mmを含みます。)
●重量:17.5kg (本体)、21.4kg (標準梱包)
画像引用元:完実電気ホームページ
PS Audio Steller P3/S
PS Audio(ピーエス・オーデイオ)は、1974年にアメリカ・カリフォルニア州のラジオDJ、Paul McGowan氏とエディター、Stan Warren氏によって創設されたフォノアンプ・ブランドです。当初はフォノアンプに特化していましたが、その後全てのアンプに着手し、さらにアンプをドライブするうえで電源がいかに重要かに着目し、1997年より自社で電源関連商品の製作をスタートしました。その結果、よりPS Audioの存在感をアピールすることとなりました。現在では、プリアンプやパワーアンプなどの各種アンプ、クリーン電源やコンバーターなど、オーディオの持つ本来の魅力を最大限に引き出す製品を提供し、長年で培われた知識と高度な製造技術で、オーディオファンを魅了し続けています。
「Steller P3/S」は、Stellarシリーズで好評の凛としたフロントパネルと、置きやすい高さや奥行を継承し、出力300W (合計、連続負荷)を実現したクリーン電源システムです。Zone 2はRegenaratingとHCフィルター・モードとの切り換えが可能となっています。これにより、HCフィルター・モードであればパワーアンプの接続が可能となり、システムとして電源を接続することが出来ます。Regeneratorの構成は、P20/15/12と同じくFPGA、DSDを採用しています。PowerPlant 3内部で電源を元の波形に戻すため、サインカーブを再び生み出し、結合された製品の持つ本来のパフォーマンスを引き出します。PowerPlantシリーズのオリジナル機能であるマルチウェーブモードや、クリーンウェーブモードも搭載しています。
「Steller P3/Sの特徴」
●パワーアンプタイプ(Regenarator型)
●P20/15/12の技術を受け継いだFPGA、DSD採用のRegenarator回路
●独立した2ゾーン、6アウトレット
●HCフィルター・モード、regeneratorの切り換えが出来る(1ゾーンのみ)
●基本設計には、AB級ローインピーダンスアンプ回路を採用。これまでのモデルと比較して、10倍以上の低抵抗(P10/P5と比較した場合は3倍)と100倍以上の出力抵抗を実現している。
●P20/15/12と同様に85%の高効率化を実現。(アメリカで特許取得)
●HCフィルターには、Category X 2品等のカスタム製のポリプロピレン・フィルターを+/- それぞれに採用している。また、輻射や電磁波から生まれるノイズやRFノイズの排除に多大な効果を発揮するX2 Power Technologyを新開発し、音楽性を損なうことなく、純度の高い電源をPowerPlant内部へと供給している。
●Multiwave, Sinewave, Cleanwave の搭載
●リモコンは標準搭載
「Steller P3/Sの主な仕様」
●定格出力電力:300W
●最大ピーク電力:900 W ( 500W- 60秒間)
●HCフィルター出力時:1,000 W
●入力可能電圧:85v – 125v
●サイズ:430(幅)×83(高さ)×210(奥行き)mm
●重量:14.3 kg
まとめ
クリーン電源を取り入れることで、当たり前のことながらHDDの回転速度が変わるわけでも、出力電圧が上がるわけでもありませんが、圧倒的な音質の向上に度肝を抜かれます。これはひとえに電源周りのノイズが大きく減少したということに過ぎませんが、音質の変化を体験すると電源のクリーン化や安定化は本当に大切だと実感します。
さて、オーディオランドのスタッフは全員、ハイエンドオーディオの専門家です!
オーディオランドではお客様が大切にご使用されてきたオーディオ機器を専門家が丁寧に査定し、即決で『高額買取』させていただきます。
また、日頃買取のご相談やご依頼をいただくお客様よりオーディオに関するお話を聞けることが楽しみでもありますので、クリーン電源でこんな風に音が変わったなど、皆様のこだわりやオーディオ話をお聞き出来ると非常に嬉しいです。
査定金額のお見積もりや買取のご相談も、お気軽にお問い合わせください。
涼しい気候になり、心も落ち着く季節となりました。
皆様が充実の毎日を過ごせますように(^^)